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エリザベト音楽大学 第77回定期演奏会

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昨日は広島県広島市のエリザベト音楽大学に「エリザベト音楽大学創立70周年コンサートシリーズ 第77回定期演奏会」を聴きに行きました。
このコンサートはエリザベト音楽大学交響楽団によるクラシックコンサートで、大学内にあるセシリアホールで行われました。
オーケストラ勢揃いでの物凄い演奏を聴かせて頂きました


-------------------- エリザベト音楽大学 第77回定期演奏会 --------------------



こちらはエリザベト音楽大学のロビーの入り口です。




ロビーに椅子があるので開場するまで座って待っている人が何人もいました。




セシリアホールの建物の前で開場を待つ人達の行列が出来ていて驚きました。
定期演奏会は有名なのだということが分かりました。




この「エリザベト音楽大学創立70周年コンサートシリーズ 第77回定期演奏会」という看板に胸が高鳴りました
演奏への期待が膨らみました。




いよいよ開場になりみなさんセシリアホールの建物に入って行きます。




セシリアホールの建物2階からの撮影です。
1階ではチケットの当日券の販売と花束などのプレゼントの受付をしていました。




こちらがセシリアホールです。
写真は演奏が終わって帰る時に撮りました。
これだけある席がかなり埋まっていて老若男女問わず大勢の人が演奏を聴きに来ていました。




オーケストラ演奏の演奏者達の入場を待っています。
私は一番前の方の席に座りました。




演奏に先立ち一人の女子学生への学長表彰がありました。




コンクールで優秀な成績を収めたとのことで凄いなと思います
学長の挨拶もあり、定期演奏会のことを「一年のうちで最も重要」と言っていたのがとても印象的でした。


オーケストラ演奏のプログラムは次のとおりです。

-------------------------



E.ショーソン:詩曲 作品25(ヴァイオリン:フィリップ・グラファン、ブリュッセル王立音楽院教授)
V.ダンディ:フランスの山人の歌による交響曲 作品25(ピアノ:廣川 由香子、エリザベト音楽大学音楽学部演奏学科4年)
H.ベルリオーズ:幻想交響曲 作品14
指揮:十束尚宏
演奏:エリザベト音楽大学交響楽団

-------------------------


「E.ショーソン:詩曲 作品25」
この作品ではヴァイオリン奏者のフィリップ・グラファンさんが「ソリスト」を務めました。
ソリストは独奏者のことで、演奏はオーケストラですがフィリップ・グラファンさんのヴァイオリン単独の音色が目立つ場面や音で全体をリードする場面が何度もありました。

演奏の始まりはゆっくりで、寂しそうな音色でした。
オーケストラ全体がソリストに合わせた演奏をしていました。
スリリングな音もありました。
一気に迫力が増す場面があり、たくさんの楽器が力強く演奏していました。
そしてその後のヴァイオリン勢の音色が美しさともの悲しさを併せ持ったような音色でした。

演奏後にフィリップ・グラファンさんの挨拶があり、「(大学創立70周年の)特別なコンサートに来てくれてありがとう」と言っていました。
アンコールは完全な一人での独奏でした。
フィリップ・グラファンさんは演奏がとてもダイナミックで、力強く演奏する時は「ダン!」と靴で床を踏み鳴らすのが一番前の方の席に居たのでよく聞こえました。


「V.ダンディ:フランスの山人の歌による交響曲 作品25」



写真は「エリザベト音楽大学 Autumn Concert」の時に撮ったもので、今回の廣川由香子さんはピンク色の裾がボンボンのように広がったドレスでの登場でした。

「第1楽章」
始まりはゆったりとしていて安らぐ音楽でした。
ピアノの始まりは寄せては返す波のような演奏でした。
ポロロンポロロンと鍵盤をそれほど強くは叩かずにフワフワとした雰囲気で音が出され、さらにその音に滑らかに強弱があり、自身が海に居るような感覚にもなりました。
高い音がとても良く、ヴァイオリン勢やヴィオラ勢がピアノの音に寄り添っていました。
ヴァイオリンが力強くなる時もあり、ピアノも上手く合わせていました。

ピアノのタッチが凄く滑らかなのが良いと思いました
今回は前の席で見ていたのでよく分かりました。

一気に全体が力強く演奏する場面がありました。
ヴァイオリン勢とヴィオラ勢が凄い速さで音を刻んでいたのが印象的でした。
ハープの演奏の後にピアノが同じ音で合わせるのが何度か続く場面が激しい音色の後の安らかな音色で良いと思いました。
そしてピアノのみならず全体の演奏も波のようだと思いました。

「第2楽章」
出だしのピアノの音が高く、少し寂しく悲しい雰囲気でした。
この章では楽器同士がとてもよく共鳴している印象を持ちました。

トランペットの登場とともに一気に迫力が増す場面がありました。
最後は少しミステリアスなピアノになり、そして優しい響きになって終わりました。

「3楽章」
出だしのピアノが凄く速くさらに同じ音を刻んでいました。
やがてヴァイオリン勢が一斉に強く弾き始めます。
シンバルを叩くのとともに一気に全体の迫力が上がりました。

ピアノの音が高くなるにつれて音の大きさも大きくなる場面がありました。
その最高潮でヴァイオリン勢が一斉にピッチカート(指だけでポロンポロンと弦を鳴らすこと)を始めました。
そこからの全体の音楽の弾みぶりが凄く良かったです。
最後も弾むように、スキップするように終わりました。

アンコールはなしで、拍手が鳴り止まない中で廣川由香子さんが何度も出入り口に退場しては戻ってきてお辞儀をし、行ったり来たりになっていたのが面白かったです。
これは拍手が鳴り止まないため、何度も戻ってお辞儀をして「アンコールはないです」というのを伝えていたのだと思います。


廣川由香子さん以外にも「エリザベト音楽大学 Autumn Concert」で演奏していた学生さんを見かけたので、「Autumn Concert」の時の写真でご紹介します。




ヴァイオリンの三年生の浦川莉緒さん。
各曲の演奏前の楽器の音鳴らし(音色を確かめるためのもの)において全体の指揮を執っていました。
そのような役目を担っていたのでかなりの実力者なのかも知れないと思いました。




ヴァイオリンの二年生の手嶋祐里乃さん。




ヴァイオリンの三年生の串山夏菜さん(写真左)。




ヴァイオリンの二年生の児玉梨緒さん。
「Autumn Concert」ではピアノだったのが今回はヴァイオリンで参加していて、さらにこの交響楽団のメンバーで登場するのは演奏も上手いということであり、音楽大学の人は凄いなと思いました。
またこの交響楽団にはエリザベト音楽大学の教員の方々が多数参加されています。




フルートの一年生の福田侑季乃さん。




さらにこの二曲目では「エリザベト音楽大学 大学祭」の時に演奏していた人がいました(写真一番後ろの右)。
今回はトライアングルを叩いていて、大学祭では一人でいくつもの楽器を演奏する活躍を見せていたのを覚えています。

私が座っていた場所からでは後ろの方の人達があまり見えなかったので、もしかしたら他にも見たことのある人が演奏していたかも知れないです。




二曲目が終わった後の休憩中に撮影しました。
左の方を見るとハープが二つに増えていて、曲目ごとに楽器が少しずつ変わります。
いよいよ最後の曲を迎えます。


「H.ベルリオーズ:幻想交響曲 作品14」

「第1楽章」
楽器が密集陣形になり、目の錯覚か実際にそうなのか、人数も少し増えたように見えました。
ヴァイオリンの寂しげな音色で始まります。
ヴァイオリン中心にゆったりしていますが悲しく寂しげな音楽が続き、ヴィオラ、チェロ、コントラバス勢が低音をしっかり支えていました。

スピードと迫力が上がる場面がありました。
フルートの演奏が目立つ場面もあり、フルートの音の直後にヴァイオリン達が続く演奏が良かったです。

第1楽章を聴いていて、この曲はヴァイオリンやピアノように何かの楽器を主役に据える音楽ではなく全体で魅せる音楽なのがよく分かりました。

「第2楽章」
スリリングな始まりでした。
チェロにハープが合わせ、ヴァイオリン、ヴィオラは凄く速く音を刻んでいました。
たくさんいるヴァイオリン、ヴィオラ全て息が合っていて凄いと思いました。
そして指揮者は大事だと思いました。

音が高い音から低い音へどんどん下がっていく場面がありました。
やがて明るく綺麗な音楽になり、最後はぐるぐる回るような演奏になりました。

「第3楽章」
ファゴットの演奏で始まったのではと思います。
ヴィオラのとても小さな刻み音が音楽の底を形作っていました。
フルートが続きさらにヴァイオリン勢も続き、高くもの悲しい音でした。
ヴァイオリン勢をヴィオラ勢のピッチカートが支えていました。
ヴァイオリン勢の高くもの悲しい音がしばらく続いていたのが印象的でした。

ヴァイオリン勢が寂しい音色になります。
チェロ勢が目立つ場面があり、深い音色をしていました。
やがて全体が激しい音色になり、さらに悲劇的な音色になります。
ヴィオラ勢のピッチカートが目立っていました。

ヴァイオリン勢のスピードが速くなる場面が何度もありました。
クラリネットとドラムだけになる場面があり、怖く寂しい音楽でした。
最後はヴァイオリン勢、ヴィオラ勢がとても小さく弾き、素人目にも何かが終わりを迎えたのが分かる音楽でした。

「第4楽章」
出だしはホルンで、虚しい音色でした。
チェロ勢、ヴィオラ勢が演奏を始めヴァイオリン勢も続きます。
ドラムの音があり、とても不気味に鳴り響いていました。
トランペットが大きく鳴り響き、そこから全体の迫力が一気に上がって凄かったです。
全楽器総動員のような演奏になっていました。

「第5楽章」
ヴァイオリンの音がミステリアスになります。
オーケストラ全体が刻む音を出していました。
鐘の音とともに悲劇的な音楽になります。
フルートの音が高い音から低い音になっていき、それに他の楽器が続く場面がありました。
ミステリアスな音楽から迫力のある音楽になり、トランペット、ホルンなどが目立っていました。
最後の全体の迫力が凄く、聴いていて胸に迫ってきました。




全ての演奏が終わった直後です。
オーケストラ勢揃いでかなりの人数が演奏していたので音の迫力が凄かったです。



演奏者達が退場していきます。







やがて何人かの人が片付けを始めていました。
聴きに来た人にとっては演奏が終われば演奏会は終わりですが、裏方で作業をする人にとっては片付けが終わるまでが演奏会なのだと思いました。




セシリアホールの建物の1階は演奏者やその関係者などで賑わっていました。
演奏者達が演奏の緊張から解き放たれ、とても楽しそうな雰囲気だったのが良かったです


15時から始まった演奏が終わった時は17時半になっていて、2時間半もの演奏になりました。
プログラムを見ると曲数は3曲と少なく見えますが1曲の演奏時間が長く、物語のあるクラシック音楽の壮大さがよく分かりました。
そしてその物語のある音楽を長く感じさせず常に聴いている人を引き込む演奏の凄さを間近で感じました
ぜひまた聴いてみたいと思う素晴らしい演奏会でした


※「一楽章f未完成 FLUTE VIOLIN CONCERT(エリザベト音楽大学卒業生の佐田晴菜さんと川本冴夏さんのコンサート)」の記事をご覧になる方はこちらをどうぞ。
※「エリザベト音楽大学 大学祭」のフォトギャラリーをご覧になる方はこちらをどうぞ。
※「エリザベト音楽大学 Autumn Concert」の記事をご覧になる方はこちらをどうぞ。


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