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Channel: 読書日和
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音で人の心を動かす

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この秋よく音楽の演奏を聴いている中で、音で人の心を動かすのは難しいことであり凄いことだと思いました。
電気、ガス、水道などの「なくては生活できないもの」と違い音楽などの芸術分野は「なくても生活できるもの」です。
節約して生活したい時には真っ先にカットされる可能性が高いです。
このような状況で聴く人に音楽を「ぜひあってほしい」と思ってもらうにはやはり演奏の上手さが必要だと思います。
聴く人の心に残る演奏ならまた次も聴いてみたいと思ってもらえると思います。

最近私が聴いた中で特に印象的なのが次の三つです。
動画は通しで聴くと時間がかかるので私が特に良いと思った箇所についてピンポイントでご紹介します。


「チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲より第1楽章」


今年の3月31日に東広島芸術文化ホールで行われた「オーケストラALL東広島」とヴァイオリンのソリスト(ソロ演奏者)の川本冴夏さんによるチャイコフスキーの「ヴァイオリン協奏曲 第1楽章」の演奏です。
「一楽章f未完成 FLUTE VIOLIN CONCERT」を聴いた後にネットを見たらYoutubeにこの演奏動画があり、聴いてみたら良い演奏だと思いました

聴いていて心を動かされる箇所が何ヵ所もあり、その中で3:26頃~4:12頃、5:10頃~6:40頃は特に良いと思います。
3:26頃~4:12頃はゆったりとした演奏で次第に音が高くなっていきます。
綺麗な音の中にどこか悲しげな響きもあり心に迫ってくる音色です。

5:10頃~6:40頃はソロのヴァイオリンとバックのオーケストラが呼応しながらどんどん盛り上がっていくのが良いです。
その盛り上がりが最高潮になると6:40頃からの一旦ヴァイオリンが演奏を止めバックのオーケストラが総動員で演奏する場面に流れ込んで行きます。


「1997年の大河ドラマ「毛利元就」のオープニング」


「毛利元就」は私がこの春からよく感想記事を書いていて、再び山陽に住むことになり安芸の国(広島県)や周防の国(山口県)など中国地方が舞台の「毛利元就」をぜひ一度通しで全て見てみたいと思いました。
4:25頃に厳島神社が登場するところで
素人目にも明らかに曲調が変わっているのが分かります。
これは安芸の国(広島県)の中の小領主だった毛利元就がやがて安芸の国の盟主になり、いよいよ中国地方の二大勢力「大内家」「尼子家」と戦って倒していく頃を表現しているのだと思います。
この部分は聴いていて胸が高鳴ります。


「ヴァンサン・ダンディ 「フランスの山人の歌による交響曲(シャルル・ミンシュ ボストン交響楽団)」


先日の「エリザベト音楽大学 第77回定期演奏会」で凄く良いと思った曲です。
2:08頃からピアノが目立つ演奏があります。
高い音でそっと鍵盤に指を置くような弾き方で心が洗われるような音色です。
私がコンサートを聴いていて「海を泳いでいるよう」と感じたのは2:31頃から2:42頃の物凄い速さで演奏している場面です。
この場面は音の強弱の付け方も良く、生で聴いた時の衝撃は動画より遥かに凄くてフワフワ感が半端ではなかったです。
まるで水の中に居るようにフワフワとした感覚になり、
ぜひもう一度聴いてみたいと思いました


三つの動画でご紹介した箇所は一つ目の曲が「綺麗さ、悲しさ、盛り上がり」で、二つ目の曲は「ドキドキ感、ワクワク感」で、三つ目の曲は「水の中に居るようなフワフワ感」で、私の心を動かしました。
どれも違う要素なことから、人の心を動かす音は一種類ではないことが分かります。
これは演奏する人にとっても聴く人にとっても重要なことで、演奏する人は自身の得意な演奏の仕方がある場合その演奏の完成度を上げて聴く人の心を動かす演奏を目指すことができます。
聴く人にとっては人の心を動かす演奏が一種類ではないことから、様々な音楽を聴いていく中で新たな「人の心を動かす演奏」に巡り会うことができると思います。
私もぜひそんな演奏に何度も巡り会いたいです


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