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晩秋に降る時雨

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一昨日の朝、予報では晴れとなっていましたが空は雲っていて、歩いていると少し雨が降ってきました。
傘を差したほうが良いか差さなくても良いか迷う降り方でした。
朝のうちにもう一度少し外を歩くことがあり、その時は最初雲の向こうに太陽のシルエットが見えたりもしていたのでこれなら降らないかなと思いました。
しかし移動した先の建物から元の建物に戻ろうとして外に出ると少し雨が降っていて足早に歩きました。
降るのかなと思えば降らず、降らないのかなと思えば降るような空でした。

主に学生の頃に読んでいた「GetBackers -奪還屋-」という漫画で「晩秋に降る時雨(しぐれ)」について書いていたことがあったのを思い出しました。
時雨は秋から冬にかけて起こる一時的に降ったり止んだりする雨のことです。
漫画には「晩秋に降る時雨は雨宿りをしようとすれば止み、もう大丈夫かと思い出発するとまた降る」といったことが書いてありました。
一昨日の雨の降り方を見てそのことが思い浮かび、まさにそのとおりだと思いました。

漫画で得た知識が雨の降り方への感性を育むことに役立ちました。
そういったこともあるので、私は「漫画など読んでも何の役にも立たない」という考えには違和感があります。
漫画から何らかの教養が身に付くこともあり、さらには私のように後に小説をよく読むようになることへの土台にもなると思います。

弱い雨が降ったり止んだりする時雨は音もほとんどせずとても静かです。
その静けさにどことなく間近に迫っている冬の気配も感じました。
晩秋と呼べる期間も今日と明日だけになり、時雨の日は移り行く季節を強く意識するきっかけの日にもなります。

威風堂々クラシック in Hiroshimaコンサート

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11月25日、広島県広島市の平和記念公園の「広島国際会議場 フェニックスホール」に、「威風堂々クラシック in Hiroshima」コンサートを聴きに行きました
「威風堂々クラシック in Hiroshima」は広島市生まれの世界的指揮者、大植英次さん(冒頭の写真中央)がプロデュースして2012年から毎年行われ、今年は11月24日と25日の二日間広島市内の各地(百貨店の福屋など)でコンサートを行いました。
フェニックスホールでのコンサートは大ホールでのオーケストラ勢揃いとなる二日間の大トリです。
演奏は「広島心音オーケストラ」によって行われ、心音とは大植英次さんが「音は耳で聞くのではなく心で感じるものだ」と考え長年モットーにしてきた大切な言葉で、オーケストラ名はここから命名されています。
公募による若手演奏家を中心にしたオーケストラで、高校生やエリザベト音楽大学生などが多数参加しています。

演奏プロクラムは次のとおりです。

第一部
1.バーンスタイン/キャンディード序曲
2.バーンスタイン/キャンディード組曲
3.ブラームス/ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 第2楽章
4.ホルスト/木星

~休憩~

第二部
5.山本秀/ひろしま平和の歌
6.バーンスタイン/ウエストサイドストーリー シンフォニックダンス
7.ストラヴィンスキー/火の鳥


演奏の合間に撮った写真とともに、プロクラム順にご紹介していきます


-------------------- 威風堂々クラシック in Hiroshimaコンサート --------------------



「広島国際会議場 フェニックスホール」は改装中の平和記念資料館の左手にあります。
※写真は平和記念式典前日の8月5日に撮影したものです。




ここにフェニックスホールがあります。




フェニックスホール観客席の様子です。
頭上にも上の階から見る席があり、千人規模の大ホールが開演前には満席になっていました
明らかに世界的指揮者の大植英次さんによるもので、凄い人だと思いました




私がこの秋からクラシックコンサートを見るようになって以来最大の盛り上がりでした




オーケストラ勢揃いの様子です。
物凄い人数がいます。




黒い椅子に座っているのはファーストヴァイオリン(序列1位のヴァイオリニスト)の木村紗綾さん。
一番観客席に近い位置で演奏し、椅子も高級なものが用意されていてオーケストラの中心的存在です。


1.バーンスタイン/キャンディード序曲

オーケストラが入場した後に木村紗綾さんが入場してきてファーストヴァイオリンの席に座りました。
次に大植英次さんが入場してきて演奏が始まりました。

トランペットの迫力ある演奏で始まり、ヴァイオリンも迫力がありました。
凄くリズミカルで楽しそうな雰囲気になります。
チェロがゆったりした演奏をし、ヴァイオリンも続き、綺麗な音色でした
チャーミングな演奏になり、指揮も凄くチャーミングで跳び跳ねてもいました


2.バーンスタイン/キャンディード組曲

キラキラとしたドラマチックな始まりでした。
ホルン系の楽器が目立った後一気にオーケストラ総出の演奏になりました。

ファーストヴァイオリン木村紗綾さんの独奏がありました。
またヴァイオリン勢の音が凄く華やかで
ドレスを着て晩餐会をしているような音色でした。

ホルンかトランペットの演奏が目立ち、ミステリアスな音色でした。
そこにヴァイオリン勢が一気に加わります。
再びオーケストラ総出の派手な全体演奏になり晩餐会のようになります。
指揮は楽しそうで踊っているかのようでした。

ゆったりした演奏になり、チェロが目立ちヴァイオリンがチェロを支えるような場面がありました。
普段はヴァイオリン属の楽器の中で一番高い音を出せるヴァイオリンをチェロが支えることの方が多い印象があるのでこれは興味深かったです。

指揮が凄く雄大になり、演奏も雄大で穏やかでゆったりしたものになります。
一気に不穏な演奏になり、ややミステリアスでした。

かなり迫力のあるドラマチックな演奏になります。
木村紗綾さんの演奏ぶりがダイナミックで凄かったです。

ややコミカルな演奏が続き、ヴァイオリンのピッチカート(指だけでポロンポロンと弦を鳴らすこと)がありました。
ヴァイオリンが大自然の中の流れる水が思い浮かぶようなゆったりして綺麗な演奏をします。
凄く雄大な演奏が続き、最後はヴァイオリンが凄い速さで細かく刻む音を出して終わりました。




3.ブラームス/ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 第2楽章

写真一番左に「第9回 ハートフルコンサート」でヴァイオリンを演奏されていた白井朝香さんがいます。
特別協力で参加されていて、位置取りから見て周辺の若い演奏者が落ち着いて演奏できるようにリードする役目を担っていたのではないかと思います。
またこの曲ではヴァイオリンとチェロのソリスト(ソロ演奏者)を迎えるために木村紗綾さんが一度後ろに下がりました。




こちらはチェロが布陣している辺りです。







ヴァイオリンソリストの佐久間聡一さんとチェロソリストの秋津智承さんが登場しました。

ゆったりとしてやや寂しさも感じる演奏で始まります。
佐久間聡一さんの演奏が目立ち、次に秋津智承の演奏も目立ちます。
二人ともゆったりした演奏でした。

ホルン系の楽器が静かに演奏しながら目立ち、ヴァイオリンも静かに続きます。
佐久間聡一さんが目立ち、やはり静かな演奏でした。
どの楽器も静かでゆったりな演奏でした。

佐久間聡一さんが凄く高い音で演奏し、秋津智承さんも一緒に演奏します。
次は秋津智承さんが一人で演奏しとても重厚感がありました。
最後はゆったりした演奏で終わりました。




演奏後、再び木村紗綾さんがファーストヴァイオリンに戻りました。




オーケストラの右の方です。
チェロのさらに後ろにコントラバスが布陣しています。
コントラバスはとても低い音の出る楽器で派手さはないですが、オーケストラでは派手な音を出すヴァイオリンやフルートなどを底から支える重要な役目を持っています。







オーケストラの左の方です。
手前側は全部がヴァイオリン勢で、一番左に高校生が二人います。


4.ホルスト/木星

平原綾香さんの「Jupiter」のモデルになった曲です。
大植英次さんはとてもジョーク好きで、演奏前の音鳴らし(楽器の音を確かめるためのもの)で「これはジュピターではございません」と言っていました。

ヴァイオリンの小刻み音で始まり、トランペットと太鼓も続きます。
一気に迫力ある全体演奏になり凄くドキドキしました
トランペットとヴァイオリンの小刻み音が共鳴して響き合っていたのが印象的でした。

やがて「エブリーー、アイリッスントゥーマーイハート、ひとりーじゃーなーいー」の有名な「Jupiter」のメロディーになります。
「Jupiter」はこの曲をモデルにしていると知ってはいましたがここまでそっくりとは驚きました。
ヴァイオリンの音色がとても良くて聴き入りました。

再び一気に迫力ある全体演奏になり、「ターン、タタン、タタタン、タタン!」というメロディが良かったです。

今度は一気に陽気な演奏になります。
ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス全部がピッチカートをします。
陽気で迫力ある演奏になり、ヴァイオリンは派手な演奏になっていました。




木星演奏後のオーケストラ全景です。
かなりの人数なのが分かります。
ここで20分休憩になりました。




オーケストラが引き上げて行きます。




私の席からでは見えなかったファゴット(写真中央)が初めて見えました。
手前にヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスがいて、その後ろにフルート、クラリネット、ファゴットなどがいて、その後ろにトランペット、ホルンなどがいて、左サイドにハープ、右サイドにピアノ、そして一番後ろにパーカッション(打楽器)がいる布陣です。




コントラバスが音の調整をしていました。




ハープも音の調整をしていました。




パーカッション(打楽器)は打ち合わせをしていました。




5.山本秀/ひろしま平和の歌

木村紗綾さんが音鳴らしの指揮を執っています。




この曲は8月6日の平和記念式典で必ず演奏されますが今までレコーディングされたことがないとのことです。
そこで今回このオーケストラでレコードを1個作ったとのことで、大植英次さんの広島への思いを感じました。




松井一實(かずみ)広島市長が登場します。
原子爆弾投下の二年後にこの歌が歌われるようになったとのことです。
バーンスタインが大植英次さんの師匠という話も出て、それで三曲も選曲されているのだなと思いました。




この歌の歌い方について、「祈るように明るく歌う」という言葉が印象的でした。




歌唱隊も登場しました。
広島市の職員さんかなと思います。




歌う時はオーケストラも立ち上がり、演奏は後ろのほうだけがしていました。
そして市長も歌っていました。




広島市民が歌えるのは今日が初めてで、今までは式典で黙って聴いているだけだったとのことです。
今回レコードが生まれたことで、もしかしたら広島でこの歌を歌える人達が増えていくのかも知れないです。




オーケストラ右側です。




オーケストラ左側です。




右サイドのピアノです。




よく見ると後ろのほうに金管楽器が見えます。
トランペットかトロンボーンだと思います。




大植英次さんはジョークをよく言うのでオーケストラも笑いに包まれて和やかな雰囲気になります


6.バーンスタイン/ウエストサイドストーリー シンフォニックダンス

この曲は指パッチンをする場面があり、演奏前に大植英次さんが「観客も指パッチンして」と言い何度かする場面がありました。
演奏はミステリアスな始まりでドラムが目立つ場面がありました。
曲調がリズミカルになります。

トランペットとヴァイオリンが目立つ場面がありとても楽しそうでした。
木琴と思われる演奏もありそれもリズミカルで楽しそうでした。
大迫力の全体演奏の後、静かでミステリアスな演奏になります。

木村紗綾さんの演奏が目立つ場面がありとてもゆったりとしていて心が引き寄せられました。
ピアノとハープがお互いに呼応するような演奏をして目立ちます。
ヴァイオリンはゆったりした演奏で夢の中のような音色でした。

とてもドラマチックで優雅な全体演奏になります。
鐘のような楽器をハンマーのようなもので叩いている人がいました。
またヴァイオリンと他の楽器との共鳴が凄く良い場面がありました。

指パッチンの場面になると大植英次さんがこちらを振り向いて合図します。
やると「グッド」のポーズまで取っていて面白かったです

凄くリズミカルな演奏になり迫力もあり、太鼓、ドラムを連続で叩いていました。
「タタッタ、タータタータ、タタタタッ、マンボ!!(掛け声)」の場面が良かったです
クラシックのコンサートで掛け声は初めて聞きました。

大迫力のピッチカートがありました。
とにかく迫力が凄く、最大音量で弾いていました。

一気にゆったりな演奏になります。
木村紗綾さんの独奏に近い状態になりとても綺麗でゆっくりな演奏をしていました。

今度は一気に慌てているような演奏になり、この曲は変化の大きい曲だと思います。
ヴァイオリンの弾き方に特徴があり短い音を大音量で出していました。
パーカッション(打楽器)も大活躍します。

ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス総動員での大迫力の演奏になります。
その後「タ、タン!」という短く刻む音を繰り返していました。

フルートの独奏になりゆったりで静かな演奏でした。
ヴァイオリンのとても綺麗でゆったりな演奏が続きます。
小川のせせらぎに太陽が当たっているような雰囲気でした。

ヴァイオリンがとても安らぐ演奏をします。
コントラバスが低い音で「ボローン、ボローン」とピッチカートをして目立ちます。
コントラバスのピッチカートにヴァイオリンが続くのが繰り返されてゆったりと終わりました。




演奏後、大植英次さんが泣いてしまいました。
大植英次さんは誕生日が10月3日で、10月4日の朝師匠のバーンスタイン(大植英次さんは先生と呼んでいます)の家に行ったら先生が亡くなるのが時間の問題だと医者が言ったとのことです。
そしてバーンスタインは今わの際に「モーツァルト」と言ったとのことで、モーツァルトが迎えに来たのではと言っていました。




7.ストラヴィンスキー/火の鳥

「タン!」というヴァイオリンの切る音で始まり、何度もその音を出します。
躍動するような音楽になり、まさに飛んでいるようでした。

ヴァイオリン属の楽器総動員でのピッチカートの後、すぐに「タン、タン、タン、タタン!!」の迫力のある短い音の演奏になります。
ヴァイオリンの演奏ぶりが激しく、かなり力強く弾いているのが分かりました。

ヴァイオリンの細かく刻む音が続いた後、とてもゆったりゆっくりな演奏になります。
ヴァイオリンのゆったりな演奏を聴いていて、火の鳥が空をゆっくりリラックスしながら飛んでいるようだと思いました。

ヴァイオリンがとても小さな音で演奏し、チェロとコントラバスもとても小さな音で支えます。
トランペットが登場し雄大な演奏をします。
さらにハープが流れるような演奏をします。

段々全体の音が大きくなりとても綺麗な音色でした。
ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスの細かく刻む音で終わりました。


アンコールはエドワード・エルガーの「威風堂々」でした。
大植英次さんがぜひ一緒に手拍子してと言い、冒頭から観客が手拍子をする場面が何度もありました。
さらに途中からは観客が立ち上がっての手拍子になってかなり盛り上がりました
私は演奏の印象的な部分のメモをするのもやめ心の底から聴き入りました
途中のゆったりした超有名なメロディ「ターーー、タララーー、ラーーーラーーー」になったところで涙腺が緩みました。
さらに聴いていて笑みがこぼれる場面もありました。
笑みがこぼれたのは「火の鳥」などでもあり、心の底から気持ちが明るくなり笑みがこぼれ、これが音楽の凄さだと思いました




協賛企業の紹介がありました。
何社も名前が挙がっていて、協力してくれる企業がそんなにいるとはと驚きました




そして何と二階席にも演奏者がいました
こちらは二階左側です。




こちらは二階右側です。







全体での挨拶の後、大植英次さんがステージを降り「ありがとう」の言葉を言いに観客席に出かけます。

大植英次さんが出掛けている間、ステージでは
「夕焼け小焼け」
「七つの子」
「ふるさと」
の演奏が行われていました。
爽やかさの中に少し寂しさも感じる音色は、コンサートの終わりが近いことを示していました。
また木村紗綾さんが大植英次さんの代わりに弓で指揮をする場面が何度かあり、さすが中心的存在と思いました。




「ふるさと」の演奏をしている時に上の階まで行っていた大植英次さんがステージに帰ってきて、演奏後は全体挨拶になりました。




そして最後、大植英次さんが法被を着ます。




指し示す先には、




同じく法被姿の人がバチンバチンとバチを鳴らしていました。
最後のほうでバチを落としてしまったのが面白かったです




大植英次さんの「祭りだ!」の掛け声を合図に「ソーラン節」の演奏に突入しました
演奏者達も全員立ち上がっていてその演奏ぶりが熱くて凄かったです。
凄い迫力で楽しそうでもありました
観客は全員立ち上がってずっと手拍子で大盛り上がりでした


「夕焼け小焼け」「七つの子」「ふるさと」の演奏で少し寂しい気持ちになっていたところにまさかのオーケストラによる大迫力の「ソーラン節」演奏があり、一気に盛り上がった気持ちになりコンサートが終わりました。
このコンサートを聴くことができて良かったです
連休の最後に素晴らしいコンサートを聴かせてもらい、とても満ち足りた気持ちになりました。
「威風堂々クラシック in Hiroshima」コンサート、末長く続いていってほしいです


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威風堂々クラシック in Hiroshima 広島心音オーケストラ2018 団員 楽器別

ヴァイオリン
木村紗綾(ファーストヴァイオリン)
杉村健太郎 二見涼叶 中村夏実 秋村瑞希 甲斐裕子 堀江直貴 形山凜
益田もも子 弘中孝典 十河佑響 森岡施安 羽倉康喜 和田菜水子 脇中日向子
田中綾 大迫日奈 西澤理紗子 佐藤有里子 櫻木桂子 三浦万帆 足利水月

ヴィオラ
佐藤吉恵 羽田彩 張越

チェロ
木村祐佳 沖野羽那 尾形七海 野口颯真 有水優友

コントラバス
新宮香月 高野はるか 柏原百合菜 守谷みさき

フルート
岩﨑幸誉 猫本明花 大塚璃音 上田桃佳 齊田美緒

オーボエ
岩﨑香保 田丸陽菜 山橋弘靖 久保田千貴

クラリネット
宮地沙織 櫻井南緒 百田有沙 小野寺揚羽 馴田洸奈 細川明日香 船川慎平
山田息吹 小松春菜 西原汐音 竹下莉沙子 川本俊宏 水戸しのぶ

サックス
中野友里花 藤原左門 恒吉晴香 中島海峰

ファゴット
岡田桃奈 竹本智香子 尾立璃音

ホルン
小川里菜 玉里優貴 檜垣文 岡田舞里恵 坂本真紘
福本澪花 植竹ののか 芳之内実来 福尾望佳 武田沙千

トランペット
藤原心 中原泰尚 江口水優 小山祐貴 幡地美穂 濱田建一郎 山地風歌
福田明惟 鈴木良太郎 高有里奈 加登岡創太 池田悠真 今井唯理 井出陽香

トロンボーン
加藤寛之 塚田智久 西澤史織 堀川明由美 中本祐希 折出美玖

テューバ
小畑清佳 尾上澄子

パーカッション(打楽器)
川上愛 岩﨑透子 林いずみ 橘高快周
櫻井彩結 安部柚希 向井沙世 高山桃奈

トロンボーン(バス)
近村優 谷川雄亮 櫟鈴華

ユーフォニアム
川澄将人

チェレスタ
甲斐史郎


Special thanks(特別協力)

ヴァイオリン
佐久間聡一 白井朝香 竹西朋子 吾藤早桜

ヴィオラ
吉海めぐみ 岡本名那子 長谷川縁 朴梨恵
小椋小野花 久保怜香 十河泰成 林賀子

チェロ
秋津智承 脇中弓子 吉田正子 飯田光 小林加歩 阿曽沼裕司

コントラバス
三井脩平 吉田有音 宮田雄規 長谷川光

トランペット
横田健徳

ピアノ
尾崎有飛

ハープ
高橋智代

練習指揮
鈴木恵里奈
尾崎有飛

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今までに書いた関連記事
「エリザベト音楽大学 第77回定期演奏会(同じくオーケストラ勢揃いのコンサート)」
「一楽章f未完成 FLUTE VIOLIN CONCERT」
「一楽章f未完成 「永遠につづく音」コンサート」
「エリザベト音楽大学 Autumn Concert」
「エリザベト音楽大学 院生アンサンブル「ライツェント・グランツ」」
「楓子さんワンマンライブ『それでいいんだ』」
「第9回 ハートフルコンサート」
「エリザベト音楽大学 創立70周年記念演奏会」


※フォトギャラリー館を見る方はこちらをどうぞ。

※横浜別館はこちらをどうぞ。

※3号館はこちらをどうぞ。

一楽章f未完成 豆腐とハムとベーコンとチーズ載せカレー

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11月11日、広島県広島市の音楽喫茶「一楽章f未完成」にカレーライスを食べに行きました。
この日は「日替わりオススメカレー」のサラダセットにしました。
日替わりオススメカレーは毎日面白いカレーが登場していて、この日は豆腐とハムとベーコンとチーズを載せたカレーでした。



サラダは「ビーフカレー」を食べた日と同じく赤と黄のパプリカ、キャベツ、紫キャベツ、レタスで、この日はレタスがたくさん使われていました。
そしてやはりあっさりとしたドレッシングで味付けされていて美味しかったです



こちらが豆腐とハムとベーコンとチーズを載せたカレーです。
写真では見えないですがハムとベーコンの下に大きな豆腐があります。
また日替わりオススメカレーは「ビーフカレー」の時とは違いご飯の上にカレーをかけるスタイルになっています。

食べてみてハムとベーコンの旨味、豆腐、どちらもカレーに合っていて美味しかったです
ハムとベーコンは旨味が辛さとよく合い、辛さの中で旨味が引き出されていました。
豆腐はカレーの辛さの中で豆腐の控え目な味がふわりと広がっていったのが印象的でした。
意外とカレーと合うことに驚きました。
チーズはCoCo壱番屋などでもトッピングすることがあり、カレーと相性が良くて私は好きです。
また豆腐の下にはレタスの他に紫蘇の葉も敷いてあり風味が良いアクセントになっていました。

「一楽章f未完成」の日替わりオススメカレーはあまり他のお店では見かけないようなメニューになっていて、新鮮な味わいを楽しめるのが良いと思います。
日替わりの種類もたくさんあるようなので様々な味を楽しんでみたいです


今までに書いた関連記事
「一楽章f未完成 FLUTE VIOLIN CONCERT(エリザベト音楽大学卒業生の佐田晴菜さんと川本冴夏さんのコンサート)」
「一楽章f未完成 「永遠につづく音」コンサート」
「一楽章f未完成 モンブランケーキとアイスコーヒー」
「一楽章f未完成 ビーフカレーとヴァイオリン生演奏」

広島女学院 第22回クリスマスチャリティーコンサート

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12月2日、広島県広島市の広島女学院中学高等学校のゲーンスホールで行われた「第22回クリスマスチャリティーコンサート」を聴きに行きました。
広島女学院中学高等学校の出身者達によるコンサートで、フルート、ピアノ、パイプオルガンなど様々な楽器の演奏者が登場しました。
またこのコンサートは入場無料で、日本と世界の子ども達を支援するための募金を行っています。

写真とともにプロクラム順に演奏をご紹介していきます


-------------------- 広島女学院 第22回クリスマスチャリティーコンサート --------------------



1.フルート:佐田晴菜 ピアノ:猪田桂子
フルート・ソナタ(F.プーランク)

この秋に「一楽章f未完成 FLUTE VIOLIN CONCERT」で初めて演奏を聴いて好印象を持った佐田晴菜さんが登場しました。
私がこのコンサートに興味を持ったのは佐田晴菜さんが出演されるとあるのを見たのがきっかけでした。




第一楽章は明るい始まりで、少し心の迷いもあるように感じる音色でした。
ピアノとフルートが同じメロディを交互にすることがあり、私はそういった呼応し合う演奏が好きです
音色に少しミステリアスさが入ることもありました。




演奏前の音鳴らし(楽器の音色を確かめるためのもの)の様子です。

第二楽章はもの悲しさのある音色で始まり、心に思うことがありそうでした。
フルートが何度か短めに強く吹く場面があり、単に気持ちが沈んでいく悲しさではなさそうでした。

ピアノとフルートが交互に演奏して、やがてどちらも一緒に演奏するようになります。
この場面では演奏も力強くなっていました。
最後はまた悲しく寂しい音色になります。

第三楽章はとても速い演奏で始まり陽気な雰囲気でした
ピロロロロとかなり速く吹き指もかなり速く動いているのが見えました。
途中でゆっくりゆったりな演奏になります。
やがてピアノが一気に速くなりフルートも追うように速くなりました。




開場直後の様子です。
広島女学院中学高等学校にはこんなに凄いステージがあるのかと驚きました




2.ピアノ:三上恵里子
『四季』より4月「松雪草」(P.チャイコフスキー)
      11月「トロイカ」

三上恵里子さんが演奏前の挨拶で曲の紹介をした時、とても話の仕方が上手いと思いました。
話した言葉がそのままあっという間にすとんと心に収まってくるような話し方で、その話にすっかり聞き入りました。
この人がレッスンをすれば生徒さんはかなり聞きやすいのではと思います。




曲の紹介で「4月」はロシアの4月のことで、春を待つ花を描いていると言っていました。
日本の本州で4月は春ですがロシアではまだ冬が終わりきっていないのだと思いました。

「11月」もロシアの11月のことで、雪がとても積もるとのことです。
そして移動するために使うのが「トロイカ」という三頭立ての馬によるソリで、それらが曲に描かれているようです。




「4月」は爽やかな始まりで、優雅で綺麗な音色でした
「タン、タンタン、タタタタタタン!」の演奏が続き、良いメロディでした。
やがてゆっくりゆったりな演奏になっていきます。

「11月」は明るい始まりで、弾き方がとても滑らかで流れるようでした
スピードが上がり力強くもなります。
右手が高い音を凄い速さ、左手はそれより低い音をゆっくり目に弾く演奏がありました。
「エリザベト音楽大学 創立70周年記念演奏会」でもこの弾き方を見たことがあり、かなり難しそうな気がします。




3.マリンバアンサンブル:石原有希子 浅田真生 ピアノ:大下枝里子
ジングルベル
そりすべり(L.アンダーソン)
小舟にて(C.ドビュッシー)
マイアミ・ビーチ・ルンバ(X.クガート)
熊蜂の飛行(リムスキー・コルサコフ)




(左が石原有希子さん、右が浅田真生さん)

「ジングルベル」はとても速くリズミカルな演奏をしていました。
今までマリンバの音を聴いたことはあったかも知れませんが楽器をマリンバと認識して聴くのは今回が初めてで、ポンポンと弾みながら響く良い音だと思いました




(ピアノの大下枝里子さん)

「そりすべり(L.アンダーソン)」も速い演奏をしていて、「ジングルベル」も「そりすべり」も一つの音を凄い速さで何度も叩いてから次の音に行くのが印象的でした。
心を弾ませるような音色でした。
楽器が大きいので二人とも少し移動しながら演奏していて、さらに躍りながら演奏しているかのような躍動感のある演奏でした。




「小舟にて(C.ドビュッシー)」は港を木の葉がゆらゆらするのを表した曲とのことです。
ふわふわした弾き方になる場面があり、まさに水の上をたゆたっているようだと思いました。
また1曲目から二人がかりで演奏する様子を見てきて、この演奏の仕方は二人の息が合わないと上手く弾けずかなり難しいのではと思いました。
ピアノを二人がかりで演奏する時も同じだと思います。




「マイアミ・ビーチ・ルンバ(X.クガート)」はとてもリズミカルな始まりでスピードも速かったです。
「ターン、タンタン、タンタンタン」と一回ごとに叩く回数が増えていく演奏が良かったです。
またマリンバはアフリカ発祥の歴史の浅い楽器で、戦後になってから日本で広まり始めたとのことです。




「熊蜂の飛行(リムスキー・コルサコフ)」は凄く速い始まりで、マリンバもピアノもずっと速い演奏が続きました。
マリンバは音階がよく変わって音色が高音から低音、低音から高音へとよく弾んでいたのが印象的でした。
マリンバ二人の位置が何度か逆になった場面もあり、スキップするように弾いていました。


ここで15分休憩になりました。
チャリティーコンサートなのでこの合間に演奏者達が観客席を回り募金が行われました。




(北垣内秀響(きたがいちしゅうきょう)さん)

4.箏・十七絃三重奏:北垣内秀響 北垣内秀萌 柳田秀潤
箏のしらべ(長澤勝俊)




(左から北垣内秀萌(しゅうほう)さん、北垣内秀響さん、柳田秀潤(しゅうじゅん)さん。

「さくら」「わらべうた」「とおりゃんせ」を通しで演奏しました。
また三人とも名前がとても珍しいなと思いました。




(北垣内秀響さん)

北垣内秀響さんは50年前の12月15日に初めて箏の稽古をして、その時の曲が「さくら」だったとのことです
また「さくら」は箏を始める人が最初に習う曲とも言っていました。
私も「さくら」のメロディは様々な場所で何度も聴いていて馴染み深く、最初に習うのに向いていると思いました




(北垣内秀萌さん)

編成は北垣内秀響さんと秀萌さんが箏、柳田秀潤さんが十七絃でした。
箏が十三本の絃なのに対し十七絃は四本絃が多くなり、邦楽の合奏において低音域を担当する楽器として考案されました。




(柳田秀潤さん)

「さくら」の演奏で「弥生の空は」のところが強く弾いて際立っていました。
また弾き方が激しくなるところもありましたが全体的に流れるような演奏で音も優しく響いていて聴き入りました




5.ピアノ:田中愛優子(あゆこ)
イタリア協奏曲 BWV971 第1、3楽章(J.S.バッハ)

田中愛優子さんは私の席に募金に来た人でした。
演奏前の曲紹介で元々は箏のように絃を爪で弾くチェンバロという楽器のための曲と言っていました。
そして底抜けに明るい曲と言っていたのが印象的でした。




第一楽章はとても明るく華やかな始まりでスピードは速めでリズミカルでした。
楽しくて仕方ないといった弾き方で音が弾んでいました。
片方の手は凄く速く弾き、もう片方の手はそれよりゆっくり弾く弾き方がここでもありました。
高い音が多く、明るく華やかな雰囲気のまま最後まで演奏されました。




第三楽章は凄く速い始まりでした。
こちらも明るく、第一楽章よりさらに速い演奏でした。
第一楽章、第三楽章ともにずっと明るい雰囲気のままの曲で気持ちも明るくなりました




(河原成美さん)

6.クラリネット二重奏:河原成美 嵐麻奈美 ピアノ:三登えりか
コンチェルト・シュトゥック 第2番 二短調 Op.114(F.メンデルスゾーン)




左からクラリネット嵐麻奈美さん、ピアノ三登(みと)えりかさん、河原成美さん。
演奏前の曲紹介で河原成美さんがクラリネットは音域の広い楽器だと言っていました。
私はクラリネットが主役の演奏はまだ聴いたことがなかったのでその音を詳しく聴く絶好の舞台だと思いました

演奏が始まるとフルートよりは低く深みがある音だと思いました。
しかしすぐに高い音になり早くも音域の広さを実感しました。
明るく陽気な音色になり、二人のクラリネットがそれぞれ一人ずつ吹く場面もありました。




ここで実質的に楽章が変わったと思われ、寂しげな音色での演奏が始まりました。
ピアノも悲しげでした。
一つのクラリネットは低い音、もう一つは高い音を出す場面もありました。
最後は低音、高音、低音、高音と音階を上下させながら優しく終わりました。

もう一度楽章が変わったと思われ、ピアノが力強く凄く速く弾きます。
嵐麻奈美さんが一人で演奏し、凄く楽しそうな音色でした。
河原成美さんも一人で演奏しこちらも楽しそうでピクニックに出かけているような雰囲気でした。
そして二人のクラリネットが一緒に演奏しやはり楽しそうな雰囲気でした




7.オルガン:三上恵里子
英雄的小品(しょうひん)(C.フランク)

右上の方から声が聞こえてきて、そちらを見るとパイプオルガンの場所に三上恵理子さんがいました。
見上げた時その場所がとてもシックな雰囲気だったのが印象的でした。
そしてパイプオルガンまでありやはり凄い学校だなと思いました。




とても格好良い曲でナポレオンがモデルではと言われているとのことです。
時々暗くなったり明るくなったり、中間で優しいところもあり、最後は明るく終わると言っていました。
そしてやはり話がとても上手く、この上手さは単に言葉の分かりやすさのみならず、ゆっくり目にこちらの心に直接語りかけるような話し方にあると思いました。




曲の紹介で話していたとおり「タ、タ、タ、タ」という演奏で始まります。
パイプオルガンは「第9回 ハートフルコンサート」の時も思ったように教会のミサのような響きです。

一気に力強い演奏になり英雄が活躍しているような音色になります。
今度は少しミステリアスになり、ゆっくり目にもなります。

少し悲しい雰囲気になった後は安らぐ音色になります。
「タンタンタン…」という演奏は英雄が歩いているのかも知れないと思いました。
その「タンタンタン…」の演奏の後に安らぐ音色の演奏をする組み合わせが何度か続きました。

ドラマチックな音色になり音も大きくなります。
その後は音が小さくなり少し悲劇的な音色でした。
そして悲劇的な音色で一気に強く弾き、何か悲しいことがあったのだと思いました。

すごくドラマチックな音色になり大きな音が響きます。
力強く演奏し、そこで終わりました。




8.合唱 ピアノ:三登えりか パイプオルガン:三上恵里子
讃美歌219番 さやかに星はきらめき

全員での挨拶になり、チャリティーコンサート実行委員会「Clytie」代表の佐田晴菜さんが話していました。
演奏のためにピアノには三登えりかさんが座りパイプオルガンには三上恵里子さんが座っています。




そして「さやかに星はきらめき」の合唱になりました。
この歌はとても神聖な気持ちになる箇所があり良い歌だと思いました


最後は観客も一緒に「きよしこのよる」の合唱をしました。
こちらも神聖な気持ちになる歌で、そんな気持ちになりコンサートを終えられて良かったです


第1回から脈々と受け継がれ、チャリティーのコンサートを22回も続けてこられたのは凄いことだと思います。
実際に行うのはとても大変なことで、演奏者達は凄いと思います。
広島女学院中学高等学校という女子校が会場で最初は行って良いものか戸惑いもしましたがコンサートを聴き終えて行って良かったと思いました。
ぜひ末永く続いていってほしいです


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演奏者プロフィール

浅田真生(あさだまい)マリンバ
広島ジュニアマリンバアンサンブルのメンバーとして、国内外で演奏。
第7回大阪国際音楽コンクールデュオ部門エスポワール賞受賞。
広島女学院中学・高等学校卒業。
広島大学教育学部第四類音楽文化系コース卒業。
同大学卒業演奏会選出。浅田三恵子氏に師事。


石原有希子(いしはらゆきこ)マリンバ
万里の長城杯国際音楽コンクール第1位他。
広島ジュニアマリンバアンサンブルアシスタント指導者。
2015年、世界最高のオーケストラである、ウィーンフィル、ベルリンフィルの首席奏者からなるアンサンブル・ウィーン=ベルリンと共演。
広島交響楽団、韓国、フィリピンにてオーケストラと共演。
安倍圭子国際マリンバアカデミー(ニューヨーク)にてミュージックディレクターを務める他、海外の音楽大学でマスタークラスの指導にあたる。
2013/2015年『福島復興応援コンサート』出演。
広島女学院中学・高等学校卒業。
エリザベト音楽大学卒業、同大学院修士課程を経て、同大学院博士後期課程修了、博士(音楽)学位を取得。
桐朋学園大学音楽学部研究科マリンバ専攻修了。
マリンバを浅田三恵子、安倍圭子、打楽器を松倉利之の各氏に師事。


河原成美(かわはらなるみ)クラリネット
広島女学院中学校吹奏楽部でクラリネットを始める。
広島大学教育学部音楽文化系コース、広島大学大学院教育学研究科音楽文化教育学専攻を修了。
中学校・高等学校音楽科の修士免許を持ち、呉武田学園武田中学校高等学校で教鞭をとる。
中国ユース音楽コンクール奨励賞。
京都フランス音楽アカデミーにてロマンギュイオ氏のマスタークラスを受講。
これまでに、橋本麻眞介、田中正敏、東谷聖悟、三浦慈子の各氏に師事。
現在は、自校の吹奏楽部を指揮・指導しながら、クラリネットアンサンブルcaloreのメンバーとして東広島市を中心に演奏活動を行っている。


北垣内秀響(きたがいちしゅうきょう)箏
山田流箏曲を宮下伸に師事。
NHK邦楽技能者育成会卒業。
NHK邦楽オーディション合格。
2002年広島文化賞受賞。
台北市の招聘により「アジア音楽祭」に出演。
また外務省の派遣によりヨーロッパ各国で公演。
地元広島では(財)広島文化財団主催「北垣内秀響 箏の世界」「細川俊夫の音世界」「あき名曲コンサート」等多数出演。
ビクターエンタテイメントからCD「北垣内秀響/夜」をリリース。
箏曲宮下社秀会名誉大師範、広島女学院高校邦楽部指導、広島市立吉島東小学校特別非常勤講師。


北垣内秀萌(きたがいちしゅうほう)箏
山田流箏曲を宮下伸、北垣内秀響に師事。
NHKFM「邦楽のひととき」に出演。
CD「北垣内秀響/夜」に十七絃首席奏者として参加。
「東アジア音楽祭2014 in ヒロシマ」「ひろしま美術館ミュージアムコンサート」等多数出演の他、海外公演、小・中学校の邦楽鑑賞会や演奏指導など様々な活動を行っている。
箏曲宮下社秀会師範。
箏曲ひびきの会所属。


佐田晴菜(さたはるな)フルート
広島女学院中学高等学校卒業。
エリザベト音楽大学を総代で卒業。
同大学で特待生としてザビエル奨学賞を4年間にわたり受賞。
学部4年次から大学院授業科目の履修を認めることによって、合計5年間で「学士」および「修士」の2つの学位を取得できる5年プログラム生として、現在同大学大学院修士課程2年次在学中。
2017年夏にドイツのベルリンで開催された音楽祭「ヤング・ユーロ・クラシック」にて、オーケストラでアルトフルートの独奏を務める。
日本フルート協会主催第44回フルート新人演奏会出演、優秀賞受賞。
ジュゼッペ・ノヴァ氏のレッスンを受講。
これまでにフルートを藤井智子、宮本美佐穂の各氏に師事。


田中愛優子(たなかあゆこ)ピアノ
エリザベト音楽大学音楽学部卒業。
同大学大学院音楽研究科修士課程修了。
第23回エリザベト音楽大学大学院音楽研究科新人演奏会に出演。
第26、27、31回日本ピアノ教育連盟ピアノオーディション奨励賞受賞。
第26回夢コン、フェイマス・コンチェルト部門地区本選にて優秀賞受賞、全国大会にて審査員特別賞を受賞。
第27、28回エリザベト音楽大学国際セミナーに参加。
2014年、フランスにてムジークアルプ国際音楽セミナーに参加。
現在、小学校音楽専科教員として勤務しながら、演奏活動を続けている。
橋本明美、魚住恵、E.クシュネローバ、J.ルヴィエの諸氏に師事。


三上恵理子(みかみえりこ)ピアノ・パイプオルガン
桐朋学園大学音楽部門を卒業後、オランダに留学。
ユトレヒト音楽院修士課程修了。
これまでにソリストとして、ヤナーチェク弦楽四重奏団、広島交響楽団、モルフィンチェンバーオーケストラ、ユトレヒト音楽院チェンバーオーケストラ、広島センチュリー管弦楽団と共演。
2014年には、オランダの国王ウィレム=アレクサンダーの御前にて演奏。
オランダに留学中、マールセンブルーク教会にてパイプオルガンとピアノで3年間奏楽を務めた。
ピアノを置名知恵、小嶋素子、吉村真代、二宮裕子、K.Wurtzの各氏、パイプオルガンをR.Smits、高橋孝子の各氏に師事。
現在、広島を拠点に演奏活動と音楽指導を行う。


三登えりか(みとえりか)ピアノ
広島大学教育学部音楽文化系コース卒業、同大学大学院教育学研究科修了。
第2回ヨーロッパ国際コンクール in Japan 全国大会にてディプロマ賞受賞。
また、HIROSHIMA MUSIC FESTIVAL、カンマームジークアカデミー in 呉にて室内楽を学ぶ。
これまでに、濱本恵康、田島まゆみ各氏に師事。
現在は「広島愛の川プロジェクト」にて合唱指導や伴奏を務めるなど、広島を中心に音楽活動を行っている。


柳田秀潤(しゅうじゅん)十七絃
山田流箏曲を北垣内秀響に師事。
小・中学校での邦楽鑑賞会や美術館コンサート、各種イベントでの演奏など、邦楽の発展、普及に意欲的な活動を行っている。
箏曲宮下社秀会師範、箏曲ひびきの会所属。


【賛助出演】
嵐麻奈美(クラリネット)、大下枝里子(ピアノ)、猪田桂子(ピアノ)

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今までに書いた関連記事
「エリザベト音楽大学 第77回定期演奏会」
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「楓子さんワンマンライブ『それでいいんだ』」
「第9回 ハートフルコンサート」
「エリザベト音楽大学 創立70周年記念演奏会」
「威風堂々クラシック in Hiroshimaコンサート」


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突然の寒さ

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先週の金曜日から急に寒くなりました。
土曜と日曜は一段と寒くなり、土曜は少し雪も舞っていました
天気予報では晴れるはずだったので突然の雪に驚きました。

この寒さを体感し、これが冬だと強く感じました。
急に寒くなる前は冬らしからぬ暖かい日が続いていてまだ真冬ではないという気でいましたが、この寒さで気持ちが完全に冬になりました。
カレンダーを見ると例年ならもう冬の気持ちになっているはずの時期でした。
気持ちが冬になり、晩秋の名残の「紅葉」を楽しむ気持ちもすっかりなくなりました。
紅葉していた木々もこの数日で一気に葉を落とし寂しい冬の雰囲気になってきています。

気づけば冬至も間近になっていたので、ここ数日の寒さで気持ちが真冬モードになって良かったかも知れないです。
気持ちが季節の進みに追いついた気がします。
年の瀬を迎え忙しない雰囲気が漂う中、真冬モードになった心で真冬を過ごし、季節を感じていきたいです

広島プロミシングコンサート2018

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(全演目終了後の挨拶にて。左から讃井万由子さん(ピアノ)、井伏晏佳さん(ピアノ)、北門華音さん(ソプラノ)。)

12月12日、広島県広島市のJMSアステールプラザで行われた「広島プロミシングコンサート」を聴きに行きました。
このコンサートは今年6月に開催された「広島市新人演奏会」優秀演奏者の讃井(さない)万由子さん、井伏晏佳(はるか)さん、北門華音(かのん)さんが主役のコンサートです。
「有望な若い音楽家のための演奏会(Concert for Promising Young Musicians)」から広島プロミシングコンサートという名前になっていて、今年で36回目を迎え出演者は「広島交響楽団」と共演します。
讃井万由子さん、井伏晏佳さん、北門華音さんの順に登場し、物凄い演奏、歌唱を見せてくれました
プログラムは次のとおりです。


指揮 :鈴木織衛
管弦楽:広島交響楽団

讃井万由子(エリザベト音楽大学出身)
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番 ハ長調 Op.26
 第1楽章:アンダンテ―アレグロ
 第2楽章:アンダンティーノ
 第3楽章:アレグロ・マ・ノン・トロッポ

~休憩10分~

井伏晏佳(東京音楽大学出身)
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番 二短調 Op.30
 第1楽章:アレグロ・マ・ノン・タント
 第2楽章:インテルメッツォ アダージョ
 第3楽章:フィナーレ アラ・ブレーヴェ

~休憩10分~

北門華音(国立音楽大学出身)
モーツァルト:歌劇「魔笛」より 愛の喜びは露と消え
プッチーニ:歌劇「マノン・レスコー」より この柔らかなレースの中で
プッチーニ:歌劇「修道女アンジェリカ」より 母もなしに
 



(演奏の直前、ピアノの前に座る讃井万由子さん)

『本日はお忙しい中、演奏会にお越しいただきありがとうございます。
大好きなプロコフィエフのコンチェルトを広島交響楽団の皆様と共演させて頂けることを大変嬉しく思います。
この曲は、美しい叙情性や素朴さのあるフレーズ、不協和音の自然な響き、激しく快活な部分などが見事に融合した作品となっています。
第3楽章の冒頭主題はプロコフィエフが日本滞在中に聴いた長唄「越後獅子」に由来すると言われています。
今日は、これまで支えていただいた多くの方々に感謝し、精一杯演奏させていただきます。』

私が11月7日、「ROJIのおと」というステージで「エリザベト音楽大学 院生アンサンブル「ライツェント・グランツ」」の演奏を聴いた体験はこの日につながりました。
電子ピアノでの演奏を聴き、ぜひグランドピアノでの演奏も聴いてみたくなりました


第一楽章は凄くワクワクする始まりで、ピアノのスピードの速さが印象的でした
ピアノとヴァイオリン属の楽器(ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス)の同時演奏が目立ちます。
さらにパーカッションのカスタネットのような楽器の音も目立ち、これまでに聴いたコンサートではあまり聴かない音だったので興味深かったです。

ピアノとオーケストラの音が上下に行ったり来たりして、そのリズミカルさが良かったです。
迫力を感じる場面もありました。

ピアノが少しの間演奏を止め、オーケストラがゆったりとした演奏になります。
ピアノが始まり、こちらもゆったり穏やかでした。

ピアノにヴァイオリン属の楽器が寄り添い少し不穏な音色になります。
ピアノは一音ごとの間隔を短めにして流れるように演奏していました。

ピアノのスピードが凄く速くなり、ヴァイオリン達も凄く速いスピードで演奏して盛り上がります
ピアノの演奏が物凄い迫力で鬼気迫っていました。
力強く演奏が続き、音も上下に行ったり来たりします。
最後も物凄い速さで演奏して弾けるように終わりました。


第二楽章はフルートを中心に森の中を歩いているような雰囲気で始まります。
ピアノが独奏をし、高音中心で穏やかでした。

やがてオーケストラも演奏を始めます。
一気にオーケストラ全体のスピードが上がり、ピアノは物凄い速さで演奏します。
全体がバンッ!と弾けた後、ピアノが力強く演奏します。

ピアノがほんの少しの間独奏をし、そこにホルンが加わります。
ヴァイオリンが静かにゆったりとした音を出し、ピアノは穏やかな演奏をします。

ピアノが力強くはっきりとした演奏をします。
ヴァイオリン属の楽器が寄り添い、トランペット系の楽器が誇り高い雰囲気の音を出していました。
やがてピアノが凄い速さでタタタタタータータータータン!というメロディを音階を少しずつ変えながら何度も演奏していてこれが凄く良かったです
最後はチェロやヴィオラを中心にしたゆっくりした演奏の後、ピアノがこれまでの凄い演奏に幕を下ろすかのように短く静かな演奏をして終わりました。


第三楽章はチェロのピッチカートを中心に始まり、すぐにピアノも続きました。
チェロの他のヴァイオリン属の楽器も続きます。
ピアノの演奏と同じ音を、ヴァイオリン属の楽器が続けて出して呼応していたのが良かったです。
ピアノは凄く力強く、音にも演奏の雰囲気にも引き込まれました

ピアノがゆっくりになりコントラバスと共鳴します。
フルート達が安らぐ演奏をし、ヴァイオリン属の楽器も安らぐ演奏で続きます。

ピアノの独奏になり、高い音でスピードは穏やかでした。
ピアノとフルートとオーボエが共鳴します。

ピアノとチェロとコントラバスが共鳴し、この時ピアノは高音、低音、高音と音階を変えながら速く演奏し、チェロ、コントラバスはゆったりとした演奏をしていました。
ヴァイオリンも登場し、ヴァイオリンもゆったりとした演奏をしていてピアノの短い音との対比になっていました。
ピアノは第一、第二、第三楽章ともに短めの音が中心で、それを強弱をつけたりして奥行きのある演奏をしていました。

一気に演奏が力強くなり、オーケストラ全体が高い音でドラマチックでした。
ピアノの弾き方が凄く、見た目は撫でているように見えるのに出てくる音は力強い場面がありました。
鬼気迫る雰囲気にもなり、手に篭る力が凄まじかったです。



(演奏後、挨拶をする讃井万由子さん)

最後はピアノもオーケストラも力強く凄く盛り上がって終わります。
高い音が続き、ピアノの力強さが神がかっていました
演奏に引き込まれ、涙腺が緩みそうになりました。
初めて演奏を聴いた時、きっとグランドピアノを弾く時にさらなる本領を発揮すると思いましたが、この日聴いた演奏は凄すぎてこれが讃井万由子さんの真の姿だと衝撃を受けました
演奏が終わった時、思わず「すげー!」と声が漏れ、力一杯拍手をしました




広島交響楽団。
プロのオーケストラです。





(演奏の直前、ピアノの前に座る井伏晏佳さん)

『この作品は初演後、長さと技術的困難さから一時留保され、演奏するピアニストも希少でした。
しかしマーラーやホロヴィッツが「傑作だ」「私の曲」と呼び愛奏し、現在では2番と並び多くの人に愛されています。
静謐でロマンな雰囲気の中に激情が秘められた第1楽章、オーボエで提示される憂鬱であり美しい旋律を中心に進められる神秘的な第2楽章、ここまでの抑制された雰囲気を振り払う、力強く決然とした第3楽章にて豪壮華麗なクライマックスを迎え締めくくります。
広島交響楽団の皆様と共演させていただく幸せを噛み締め、全ての方々に心からの感謝を込めて演奏致します。』

ラフマニノフのピアノ協奏曲は第2番がフィギュアスケートの浅田真央さんのソチオリンピックフリーの曲でもあり私にとって馴染み深いです。
第3番がどんな曲なのか興味深く聴きました。


第一楽章は少しもの悲しい始まりでした。
ピアノは高い音を普通の速さで弾き、ヴァイオリン属の楽器は小刻み音を静かに出して寄り添っていました。

ピアノが流れるような演奏になりスピードも速くなります。
高い音中心のかなり速い演奏が続きます。

ピアノが演奏をやめてオーケストラがゆったり演奏をします。
ヴァイオリン属の楽器が演奏し、ピアノもその演奏の後に同じ音を出して呼応する場面がありました。

ピアノが力強くなり、一音の演奏を短くした状態でゆっくり目に演奏します。
同じメロディを奏でながらピアノの音がどんどん高くなっていくのが良かったです

ピアノが少しの間低い音を力強く演奏します。
すぐに高い音になり、また低い音になり、また高い音になります。
この間、ヴァイオリン属の楽器が小刻み音で寄り添い、音階が上下に行ったり来たりするダイナミックさに奥行きも加わる場面がありました。
演奏がどんどん盛り上がり、ピアノの迫力に引き込まれました

少しゆったり目の演奏になります。
しかしピアノにはゆったりさの中にスピードも感じて不思議な感覚でした。

チェロ勢が不穏な演奏をしピアノも共鳴します。
ピアノが独奏をし、凄く神がかった迫力で力強かったです。
今回のコンサートでは讃井万由子さんも井伏晏佳さんも気迫が凄まじくてこれがピアニストの本気かと衝撃的でした。

やがてピアノの独奏にフルートも加わり、ピアノは静かな演奏になります。
同じメロディでオーボエとホルンも交代で順番に演奏に加わります。

ピアノの独奏になり、最初は静か目の演奏で、やがて躍動感のある演奏になり一番高い音まで上がっていきます。
ピアノがゆったりとした演奏になり、ヴァイオリン属の楽器がとても静かな音で寄り添っていました。
ピアノがゆったりきらびやかな演奏をして第一楽章が終わります。


第二楽章はオーケストラの寂しげな演奏で始まります。
ヴァイオリンの高い音が寂しげで目立ち、ヴァイオリン属の楽器の寂し気な音色が目立つ演奏が続きます。

ピアノが登場し、高い音から低い音まで力強く演奏していました。
やがてとてもゆったりした優しげな演奏になり、高音中心で穏やかでした。
ヴァイオリン属の楽器が静かに寄り添います。
ピアノが高い音を優しく指を添えるようにして出していた雰囲気が良かったです

ピアノが力強くなりオーケストラも共鳴します。
とてもドラマチックな演奏で凄く引き込まれました
ピアノの演奏が一気に速く力強くもなり、ヴァイオリン属の楽器が共鳴します。

ピアノが演奏をやめ、ホルンなどの管楽器が目立ちゆったりとした演奏をします。
ヴァイオリン属の楽器が迫力と優雅さを合わせ持った演奏をしていて聴き入りました。
またこの曲では海辺に優しく寄せる波のようなメロディが何度も登場し、そのメロディが凄く良いと思います


第二楽章と第三楽章は切れ目がなかったですが、曲の解説を見るとこの辺りで第三楽章になったのではと思います。
ピアノの演奏が始まり、凄い速さでポロロロロと演奏していて凄まじい速さに驚きました。
ヴァイオリン属の寄り添い方も速さと迫力を合わせ持っていて凄かったです。
ピアノは短めの音をドラマチックに迫力も伴って演奏し、ピアノとオーケストラが共鳴しての盛り上がりが凄かったです
オーケストラだけになりゆったりとした演奏をします。

ピアノの演奏が始まり、凄い速さを撫でるかのように弾いていました。
ピアノとフルートが中心になる場面、そしてピアノとトランペットが中心になる場面がありました。
ピアノがとてもゆったりとして安らぐ演奏をし、演奏をやめるとヴァイオリン属の楽器が小刻み音で演奏をし、迫力のある演奏もします。

ピアノの演奏が始まり盛り上がりが凄かったです。
ピアノは速さが凄まじく、オーケストラもダイナミックに寄り添います。
ピアノが一気に力強くなり、オーケストラの盛り上がりも最高潮になります。
凄く大きな音と速いスピードでドラマチックな演奏をし、ピアノもオーケストラも圧倒的な迫力で終わりを迎えました




(演奏後、挨拶をする井伏晏佳さん)

この曲も演奏後に思わず「すげー!」と声が漏れました。
声を上げずにはいられず、笑みもこぼれ、力一杯の拍手を送りました





(歌唱後、挨拶をする北門華音さん)

『この度は私の故郷で広島交響楽団の皆様と共演させて頂けることを大変嬉しく思います。
今回演奏させて頂くこの3曲には「愛」という共通点があります。
1曲目は「愛しい彼に対する愛」、2曲目は「息子に対する母の愛」、そして3曲目は「過去の愛」です。
パミーナ、アンジェリカ、マノン…彼女達のそれぞれの愛をモーツァルトとプッチーニが作り出した素晴らしい音楽に乗せて表現したいと思います。
大好きな私の故郷である広島で歌えることの喜び、そして何よりも、お世話になりました先生方や友人、家族の前でこのような素晴らしい舞台で歌えることに幸せを感じながら、ご来場頂きました皆様へ心を込めて演奏させて頂きます。』


1曲目 モーツァルト:歌劇「魔笛」より 愛の喜びは露と消え
凄く高い歌声で始まりました。
オーケストラは静かに演奏して寄り添っていて、歌を引き立たせる演奏をしていました。
ソプラノ歌手なので高い音で歌う人ではありますが、とてつもなく高い音まで上がっていてその高さが凄かったです
マイクを使っていないのによく響く声でした


2曲目 歌劇「マノン・レスコー」より この柔らかなレースの中で
チェロの不気味な演奏で始まります。
すぐに高い音の歌声も始まり、一気に力強くなります。
ソプラノの凄く高い音にヴァイオリンが寄り添った場面はアルプスの高原を水が流れるような優しくきらびやかな雰囲気を感じました。


3曲目 プッチーニ:歌劇「修道女アンジェリカ」より 母もなしに
ゆったりとした悲しげな歌声で始まります。
ヴァイオリン属が悲しげに寄り添い、特にヴァイオリンの悲しそうな音色が目立っていました。
かなり高い音で力強く歌うようになります。
ドラマチックな場面があり、ゆったりな雰囲気の中に激しさも感じました。
一気に強く高い音で歌った後、最後はまたゆったりとして少し悲しげに終わりました。




(一度引き上げた後、鳴り止まない拍手で再び戻ってきた時の北門華音さん)

どの曲も外国の言葉で歌われていて歌詞は分かりませんが、歌が上手いので聴き入りました
もし私がそれぞれの曲の登場する歌劇を見たら曲から感じ取ることもさらに増えていくと思います。





全演目終了後の挨拶にて。
三人に盛大な拍手が送られました




讃井万由子さんも井伏晏佳さんも北門華音さんも素晴らしい音楽家だと思います。
ぜひ三人ともこれからどんどん活躍していってほしいと思いました


広島プロミシングコンサート、素晴らしいコンサートですっかり聴き入りました。
出演する若い音楽家にとっても大ホールで自身の思い入れのある曲を演奏できるのは素晴らしい経験になると思います。
平日開催でしたが私はこのコンサートを聴いたおかげで気持ちを明るくすることができました。
またどこかで三人の演奏を聴けたら良いなと思います


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演奏者プロフィール


讃井万由子 エリザベト音楽大学音楽学部演奏学科鍵盤楽器専攻卒業

2005年 第22回中国ユース音楽コンクール 最優秀賞
2010年 ヤマハヤングピアニストコンサート西中国地区推薦演奏会 銀賞
2014年 広島県立安芸府中高等学校卒業
      エリザベト音楽大学に特別奨学生として入学
      第16回ショパン国際ピアノコンクールin Asia 全国大会入選
2015年 第17回ショパン国際ピアノコンクールin Asia 全国大会入選
2016年 第26回日本クラシック音楽コンクール 第5位
2018年 エリザベト音楽大学を首席で卒業、卒業演奏会出演
      ESpoir新人演奏会出演
      広島市新人演奏会優秀演奏者
現在、エリザベト音楽大学大学院修士課程に在学中
ピアノを、濱本恵康、原田敦子、前川正枝、柴田美穂、横山幸雄に師事


井伏晏佳 東京音楽大学器楽専攻(ピアノ演奏家コース)卒業

2014年 広島なぎさ高等学校卒業
      東京音楽大学器楽専攻(ピアノ演奏家コース)に給費入学奨学生として入学し、特待奨学生として在学
2015年 第2回刈谷国際音楽コンクールグランプリ並びに刈谷市長賞受賞
      第23回ヤングアーチストピアノコンクール ピアノ独奏部門Fグループ金賞
2016年 カワイ音楽振興会主催《東京音楽大学表参道サロンコンサート》にてジョイントリサイタル開催
      ベーゼンドルファー東京主催ランチタイムコンサート出演
      第31回国民文化祭・あいち2016において、刈谷市総合文化センター管弦楽団と共演
      ピアノ演奏家コース成績優秀者による東京音楽大学ピアノ演奏会出演
      短期留学奨学生としてドイツ・ハノーファー音楽演劇メディア大学に留学
2017年 広島サマーコンサート推薦によりカワイ広島にてソロリサイタル開催
2018年 東京音楽大学卒業演奏会出演
      広島市新人演奏会優秀演奏者
現在、東京音楽大学大学院音楽研究科修士課程鍵盤楽器研究領域に在学中
これまでに立花恵美子、鈴木英子、松本和将、倉沢仁子、ガーボル・ファルカシュ
各氏の指導を経て、現在ピアノを播本枝未子、石井理恵の両氏に師事


北門華音 国立音楽大学卒業

2014年 広島音楽高等学校卒業
      国立音楽大学演奏・創作学科声楽専修入学
2017年 国立音楽大学ソロ・室内楽定期演奏会出演
2018年 国立音楽大学卒業演奏会出演
      広島市新人演奏会優秀演奏者
現在、国立音楽大学大学院音楽研究科修士課程声楽専攻オペラコースに在学中
声楽を梅川美和、大倉由紀枝の各氏に師事

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「エリザベト音楽大学 第77回定期演奏会」
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「一楽章f未完成 「永遠につづく音」コンサート」
「エリザベト音楽大学 Autumn Concert」
「エリザベト音楽大学 院生アンサンブル「ライツェント・グランツ」」
「楓子さんワンマンライブ『それでいいんだ』」
「第9回 ハートフルコンサート」
「エリザベト音楽大学 創立70周年記念演奏会」
「威風堂々クラシック in Hiroshimaコンサート」
「広島女学院 第22回クリスマスチャリティーコンサート」
「チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲 第1楽章」(ソリスト:川本冴夏)

豚汁うどん 冬のお気に入り

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写真は広島県広島市にある「さぬきうどん 釜八 八丁堀店」の冬期限定メニュー「豚汁うどん」です。
釜八は以前山陽に住んだ時もよく行ったお店で、私は釜八の豚汁うどんが好きで当時も冬の時期はよく食べました。

今回11月の下旬に寄ったら早くも豚汁うどんが登場していたのでさっそく食べました。
久しぶりに食べた豚汁うどんはやはり美味しかったです
私の中ですっかり冬のお気に入りメニューになっています

具は大根、人参、こんにゃく、ごぼう、玉ねぎ、豚肉で、つゆにはほんの少しゆずのような風味があります。
この風味で爽やかな気持ちになるのが良いです
ねぎは好きに入れて良いので風邪予防も兼ねて多めに入れてみました。

麺には程よくこしがあります。
釜八のうどんはメニューによってこしに差があるのが印象的で、他人とじうどん(豚肉を玉子でとじたものを載せたうどん)などはこしがやや弱めになっています。
メニューごとに一番良いこしを考えているのかも知れないです。
豚汁うどんのこしは豚汁とよく合っていると思います。

真冬を迎えかなり寒くなってきました。
外を歩いて寒い思いをした時に温かいうどんなどを食べると身体も気持ちもホクホクして良いものです。
そして豚汁うどんのようなメニューで野菜を豊富に摂り健康に気をつけていきたいと思います

「チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲 第1楽章」(ソリスト:川本冴夏)

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今回ご紹介するのは「チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲 第1楽章」(ソリスト:川本冴夏)です。

-----曲調&感想-----



(2018年10月14日、「一楽章f未完成 FLUTE VIOLIN CONCERT」にて談笑する川本冴夏さん)

記事冒頭の動画は2018年3月31日、広島県東広島市の西条にある「東広島芸術文化ホール くらら」で行われた「市民交流コンサート2018」の時のものです。
「ヴァイオリンソリスト(ソロ演奏者):川本冴夏さん、オーケストラ:ALL東広島」でピョートル・チャイコフスキーの「ヴァイオリン協奏曲 第1楽章」を演奏しています。
「一楽章f未完成 FLUTE VIOLIN CONCERT」で演奏を聴いたのがきっかけでネットを見てみたらこの動画があり、聴いてみて良い演奏と良い曲だと思いました。
この動画の演奏を元に、「ヴァイオリン協奏曲 第1楽章」のご紹介をしたいと思います。


冒頭はオーケストラによるゆったりとした安らぐメロディで演奏が始まります。
00:22~00:25くらいの車のエンジンがかかるようなメロディで何かが始まる予感がしてワクワクします

00:54からヴァイオリンソリストがソロで演奏を始めます。
それまでのオーケストラの演奏を引き受けるような形でとても自然に始まっているのが印象的です。

01:14からオーケストラも再び演奏を始めます。
ソリストを中心にゆったりとしたメロディでの演奏です。
01:55から02:15にかけてソリストが一際高い音で演奏し、この音が凄く綺麗で聴き入りました

02:52からかなり盛り上がり、どんどん音が上がって行きます。
音が喜びに満ちていてとても嬉しそうなのが良いです。
そして綺麗な音色で、私はこういった音色が好きです
オーケストラとソリストが呼応して同じ音色を音階を上げながら6回繰り返しているのも印象的です。
同じ音色を何度か繰り返す手法はこの曲で何度も登場します。
凄く高い音まで上がって行き、03:05で一気に喜びが爆発したように弾けこの場面がとても好きです

弾けた後はソリストが高い音からどんどん音階を下げて低い音まで行きます。
低い音まで下がったところでゆったりとした演奏になり、この部分が03:05で弾けた場面からの「音の底」の部分なのかなと思います。
盛り上がりきった後を受け持つ大事な場面のような気がします。

ヴァイオリンの弾き方にも注目で、高い音と低い音で弓の当て方が違います。
高い音の時は縦に弓を当てているのに対し、低い音の時は横に当てています。

ゆったりとした演奏を2回繰り返します。
2回目の繰り返しの時の03:58から04:11頃の物凄く高い音での演奏がかなり良いと思います。
どんどん音が高くなり力強さも上がっていき、綺麗な音色の中にもの悲しさも感じ、こういった音色にも心を引かれます。

04:27~04:32頃にかけてのメロディは胸に迫る音色で涙腺が緩みそうになります。

私はこういった音色が心の琴線に触れるのだと思います。

どんどん音が高くなり、力強い演奏にもなります。
04:39頃~05:00頃にかけての物凄く高い音での演奏の部分は心の叫びのようにも聴こえ、気高さやドラマチックさも感じます。

05:10から音階が下がっていき、05:15で一番下がったところから一気に高音に行き、そこからソリストとオーケストラの呼応が始まり6回繰り返されます。
この回数は02:52~と同じです。
また05:10~05:15はヴァイオリンの演奏を見ていると弾き方がどんどん縦方向から横方向に変わっていっているのが印象的です。

ソリストとオーケストラの6回の呼応が終わった直後、05:28からフルートが演奏を始めます。
05:38までヴァイオリンの弾き方と相まってとてもドラマチックな雰囲気になっているのが良いです

05:45からソリストが物凄い小刻みでの演奏を始めます。
さらに05:57から小刻みでの演奏がギアの上がった音色になり聴いていて気持ちも盛り上がります
スピードもかなり速く、この部分を演奏するのは特に大変なのではと思います。

06:07で小刻み音を引き取るように伸びやかな演奏になります。
短い時間小刻み音で演奏し、伸びやかな演奏で引き取るのを音階をどんどん上げながら5回繰り返します。
音階が上がり切って物凄く高い音になったところで、太鼓がドンっ!と鳴りソリストの演奏が鬼気迫るものになります。
オーケストラとの全体での演奏に迫力とともに不穏な雰囲気も感じ、この部分はとても引き込まれます。
この鬼気迫る演奏は4回繰り返されます。

そこから06:29~06:33にかけて導火線に火が灯っているような演奏になります。
そして一気にソリストの音が高く力強くなり、その最高潮で一旦演奏を止め、06:39からオーケストラ総動員での演奏になり、特徴的な盛り上がるメロディを2回繰り返します。
この時の盛り上がりが凄く、ソリストが離れているためそれを埋めるためにオーケストラが総動員になっているのだと思いました。
そしてこの曲を見るとソリストがかなり疲れるのが予想され、時折休むタイミングが必要だと思います。

8:08からソリストが演奏を始めます。
9:00頃から9:28頃にかけて同じメロディの演奏が6回繰り返され、何かを決断するかどうかで足踏みしているような雰囲気を感じました。
9:29から一気に曲調が変わってドラマチックな雰囲気と鬼気迫る雰囲気を併せ持った演奏になり、小刻み音を使っていてスピードも速く、それが4回繰り返されます。
4回目の最後に一気に高い音での力強い演奏に変わり最高潮を迎えて演奏を止め、同時に9:36から再びオーケストラが総動員での演奏を始めます。
06:39~と同じ特徴的な盛り上がるメロディですが今度は少しゆったり目の演奏になっています。

10:20でオーケストラの演奏がクライマックスを迎え、10:25にかけてとても迫力のある演奏をします。
そしてその演奏に呼応して10:25からソリストが演奏を始めます。
「タン、タン、タン、ターン!」というどんどん音階を上げながらのソリストの演奏の後、オーケストラが迫力のある演奏で呼応するのが2回繰り返されます。
10:34からの3回目でソリストの演奏の仕方が変わり、そのまま独奏に入ります。

10:52に「ポロロン」とピッチカート(指だけでポロンポロンと弦を鳴らすこと)をしているのがそれまでの迫力のある演奏との対比になっていて印象的です。
11:16~11:22頃にかけてヴァイオリンの音が水が湧き出て流れるように出ているのが印象的で、弾き方が上手いなと思います。
11:54~12:00頃にかけて怪しい屋敷を探検しているような特徴的な音を出していて、ヴァイオリンはこんな演奏の仕方もあるのかと思いました。

12:19頃から12:40頃にかけて同じメロディでの演奏が8回繰り返され、8回目の最後、演奏が激しいものに変わります。
12:57頃で演奏の激しさが峠を越えて少しゆったり目の演奏になります。

13:20にオーケストラが再び演奏を始め、とても穏やかで優しい雰囲気です。
13:32までソリストがソロ演奏の一番最後の時の「音を震わせる弾き方」を続けているのが印象的で、その震える音とオーケストラの穏やかで優しい音色がとてもよく合っています
オーケストラが寄り添っているように聴こえます。

13:56からソリストが2:00頃からの演奏と同じメロディで演奏し、今回はより華やかさを感じる音です。
14:54~14:56のとても高い音での唸るような音はその後の演奏に向けて「さあ行くぞ!」と言っているように聴こえます。
そして14:56から15:06にかけてオーケストラとソリストが同じ音色を音階を上げながら6回繰り返すのがもう一度演奏され、15:07で再び喜びが爆発したように一気に弾け、今回のほうがさらに弾けている感じがします。

弾けた後、凄く高い音からどんどん音階を下げていき15:26で一番下がります。
ゆったりした演奏を2解繰り返した後、16:00から16:45にかけての物凄く高い音での演奏が凄く良いです
弾き方にもかなり情感がこもっています。
やはり綺麗な音色の中にどこか悲しさも感じ、そして私はこういった派手な音色と相性が良いのが分かりました。
聴いていてとても引き込まれます

ソリストとオーケストラの呼応が6回繰り返され、17:20からソリストが小刻み音での演奏を始めます。
05:45~と同じメロディでの演奏ですが今回の小刻み音は一気にギアを上げるよりもじっくり上げるのを重視しているように聴こえました。

17:42~17:55にかけて短い時間小刻み音で演奏し、伸びやかな演奏で引き取るのを音階を上げながら5回繰り返した後、17:56から18:05までの盛り上がりが凄いです
ソリストもオーケストラも物凄く力を込めています。

18:06~18:10の導火線に火が灯っているかのような演奏の後、18:05で序盤での同じメロディの時と演奏の仕方が変わります。
18:16頃から18:22頃までどんどん音が上がっていきます。
18:37~18:52の音色には物凄くドラマチックなものを感じ、明るさと気高さを併せ持っているように聴こえました。
そして圧倒的なラストを迎え、音色と演奏の迫力、凄さに強烈に引き込まれました


今回初めて、普段小説の感想記事を書く時と同じ形でクラシック音楽の感想記事を書いてみました。
最初に書いたのがこの曲で良かったと思います。
聴けば聴くほど魅力的な曲で、音色の華麗さ、美しさにとても引き込まれます。
気持ちを明るくしてくれる素晴らしい曲で、ぜひこれから先も弾き継がれ、聴き継がれていってほしい名曲です


今までに書いた関連記事
「一楽章f未完成 FLUTE VIOLIN CONCERT」
「一楽章f未完成 「永遠につづく音」コンサート」
「エリザベト音楽大学 第77回定期演奏会」
「エリザベト音楽大学 Autumn Concert」
「エリザベト音楽大学 院生アンサンブル「ライツェント・グランツ」」
「楓子さんワンマンライブ『それでいいんだ』」
「第9回 ハートフルコンサート」
「エリザベト音楽大学 創立70周年記念演奏会」
「威風堂々クラシック in Hiroshimaコンサート」
「広島女学院 第22回クリスマスチャリティーコンサート」
「広島プロミシングコンサート2018」

歩きやすい時期

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今年は春になる前からダイエットを意識して過ごしてきました。
体重が増えていたので何としても元に戻したいと思いました。
食べるものは無理には減らさず、長い距離のウォーキングをよくするようにしていらない脂肪を燃焼させようとしました。

エスカレーターもあまり使わなくなり、駅などで多い段数でも階段を上るようにしています。
その効果で最近は多い段数の階段を上ってもそれほど脚が疲れなくなりました。
以前は上り切る頃にはかなり脚が重くなっていたので強靭になってきたのだと思います。

秋、冬となり寒くなってくるとともに、夏よりも体重が減りやすくなりました。
長い距離のウォーキングをする時、速いスピードで歩きやすくなったのが大きいと思います。
それほど汗は出ませんが歩いているうちに身体はポカポカとし、どんどんいらない脂肪が燃焼されているのだと思います。

夏場はかなり汗が出て見た目上は痩せる効果があるように見えましたが、実際には汗とともに熱が飛んでいきそれほど脂肪を燃焼できていなかったのかも知れないです。
長距離を速いスピードで歩きやすい今はまさに痩せる好機だと思います。
この冬のうちにダイエット活動に終止符を打ち増えていた体重を元に戻せたら嬉しいです

一楽章f未完成 「イル・ピアッチェーレ ひろしま」コンサート

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12月5日、広島県広島市の音楽喫茶「一楽章f未完成」に「イル・ピアッチェーレ ひろしま」コンサートを聴きに行きました。
「イル・ピアッチェーレ ひろしま」はイタリア語で「広島が気に入った」という意味のようです。
このコンサートはまず普段コンサートに行くと貰える演奏プログラムがないことに驚きました
どんな曲を演奏するのか、弾く直前まで未知のミステリーコンサートでした。

このコンサートには広島交響楽団(プロのオーケストラ)の団員が三人登場し、広島交響楽団は一週間後に行われた「広島プロミシングコンサート2018」で主役の人達と共演するのでどんな演奏をするのか興味があり聴いてみようと思いました。
コンサートは二部構成で、プログラムがないので把握できた範囲でご紹介していきます。




ヴァイオリンの高畑壮平さん。
岡山フィルハーモニック管弦楽団の首席コンサートマスターをされている人で、コンサートマスターはファーストヴァイオリン(第1ヴァイオリン)の序列1位の人が務めるオーケストラの中心的存在です。




チェロのマーティン・スタンツェライトさん。
広島交響楽団の首席チェロ奏者です。




ピアノの野村涼子さん。
マーティン・スタンツェライトさんとは夫婦で、エリザベト音楽大学大学院を修了したピアノの実力者です。




コントラバスの飛田勇治さん(写真右)。
広島交響楽団のコントラバス奏者です。




ヴィオラの永井啓子さん(写真左から二人目)。
広島交響楽団のヴィオラ奏者です。


1曲目はウィーン(オーストリア)に関係する何らかの曲を演奏していました。
2曲目は「プラーター公園は花ざかり」という同じくウィーンに関係する曲でした。
3曲目は「陽気な未亡人」、4曲目は「パリの空の下で」という曲で、どれも全く知らない曲でしたが演奏が非常に上手かったので聴き入りました
特に「パリの空の下で」はメロディが印象的でとても引かれました。
5曲目にタンゴのメドレーを演奏して第一部が終わりました。







第二部の1曲目はマーティン・スタンツェライトさんと野村涼子さんの二人でエドワード・エルガーの「愛の挨拶」を演奏して始まりました。
この曲は誰でもメロディを聴けば「あの曲か」と分かるくらい有名な曲で、エドワード・エルガーには「威風堂々」という同じくらい有名な曲もあり、素晴らしい曲を作曲した人だなと思います

2曲目は名前はメモする間がありませんでしたが速いスピードの曲を演奏していて、この曲からまた五人での演奏になりました。
3曲目は「夢の浜辺」という曲で、原題を直訳すると「海辺の三本杉」となりますがまるで演歌のタイトルのようなので代わりにこのタイトルを考えたとのことです
4曲目は「蘇州夜曲」で、蘇州は中国にあります。
5曲目は「ポル・ウナ・カベサ」というタンゴの曲で、これはかなり引かれる曲でした。
元々どの曲も演奏が非常に上手いのに加えて、この曲では力強さと切れがパワーアップしたように感じました。
圧倒的な切れ味の演奏箇所があり、その場面になるとハッとした気持ちになりました。




アンコールは男性陣がトナカイの角をつけて登場しました。
クリスマスが近いということでクリスマスメドレーを演奏し、メドレーの最後に「きよしこの夜」を演奏していました。
私は「きよしこの夜」のメロディの神聖さが好きです







さらに「きよしこの夜」の後に誰かが「アンコール!」と言いダブルアンコールを求めていました。
高畑さんのトークが軽妙で面白く、「アンコール!」の声に「そう言われましても…」と困った素振り

安田女子中学高等学校 第8回復興支援チャリティーコンサート

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本日、広島県広島市の安田女子中学高等学校の安田リヨウ記念講堂に「第8回復興支援チャリティーコンサート」を聴きに行きました。
「威風堂々クラシック in Hiroshimaコンサート」の木村紗綾さんと「一楽章f未完成 FLUTE VIOLIN CONCERT」の長谷川朱里さんがゲストで出演されるので興味を持ちました。
このコンサートは2011年3月の東日本大震災の復興に向けて始め、今年から演奏会の名前が「復興支援(広く災害からの復興を支援するという意味)」に変更になりました。
東日本大震災以降、〇〇震災や〇〇豪雨など多くの災害が起き、この7月には広島でも西日本豪雨という大きな災害がありました。
それらの災害からの復興を支援するチャリティーコンサートはとても良い試みだと思います

写真とともに演奏プログラム順にご紹介していきます


-------------------- 安田女子中学高等学校 第8回復興支援チャリティーコンサート --------------------

第1部

中学高等学校管弦楽部
 1.トルコ行進曲 ベートーヴェン作曲
 2.スラヴ舞曲 作品46-2 ドヴォルザーク作曲
 3.交響曲第1番 変ロ長調 作品38「春」より 第4楽章 シューマン作曲
 指揮:西原知加子



中学高等学校の管弦楽部にも演奏前の音鳴らし(楽器の音色を確かめるためのもの)がありました。
写真の方が音鳴らしの指揮を執っていて、コンサートミストレス(オーケストラの中心的存在)の役割を担っている方なのだと思います。
この若さで大役をよくやっていると思います




1.トルコ行進曲 ベートーヴェン作曲

とても明るい始まりで、最後までワクワクするメロディでした
そして中学校や高校の管弦楽部の本格的なクラシックの演奏を聴くのはこれが初めてでした。
想像以上によくまとまりの取れた演奏になっていて驚きました。
日々しっかり演奏の練習をしているのだと思います。




2.スラヴ舞曲 作品46-2 ドヴォルザーク作曲

どこかもの悲しい雰囲気の演奏で始まりました。
そこから速いスピードの演奏になり力強くもなります。
後半はワクワクするメロディが続いて行きました。
そしてまだ中学生高校生なのを考えると音色を力強くするための力の入れ方などが上手いと思いました。




3.交響曲第1番 変ロ長調 作品38「春」より 第4楽章 シューマン作曲

華やかな始まりで、晩餐会のような明るい雰囲気でした。
途中でフルートの完全な独奏がありこれはよくやったと思います

やがて演奏が派手で力強くなります。
最後が圧巻で、特にヴァイオリンの迫力が凄かったです




ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスをはじめ、フルート、クラリネット、ファゴット、ホルン、トランペット、トロンボーンなどもあり本格的な管弦楽団を形成していました。




全演奏終了時。
ちなみに指揮の西原知加子さんは「エリザベト音楽大学同窓会 佐伯区支部」の皆さんによる「第9回 ハートフルコンサート」でヴァイオリンとヴィオラを演奏されていました。
さらに「エリザベト音楽大学 第77回定期演奏会」でもヴィオラを演奏されていて、リンク先の記事の一番下にある「エリザベト音楽大学交響楽団 オーケストラメンバー」のヴィオラの欄を見ると西原知加子さんの名前があります。
安田女子中学高等学校の教員のみならず他でも大活躍されていて凄い人だと思います




次の準備をしている間、高校の生徒会長の方の挨拶がありました。
「一人一人の力は小さく弱いものでも、みんなの力を合わせれば大きな力になる」と言っていたのが印象的で良い言葉だと思いました




さらに、チャリティーコンサートで演奏をする「中学高等学校管弦楽部(写真左から二人目)」「高校音楽部(右から二人目)」「中学合唱部(一番右)」の各部長へのインタビューもありました。
管弦楽部は3月24日に定期演奏会があり、高校音楽部は3月23日にスプリングコンサートがあり、中学合唱部は日にちは忘れましたが2月に3年生が引退となる定期演奏会があるとのことです。



高校音楽部
 4・5.女声合唱とピアノのための組曲「桜の花びらのように」から
     2.十月 4.桜の花びらのように  みなづきみのり作詞 田中達也作曲
 6.女声合唱組曲「今日もひとつ」から
     5.今日もひとつ  星野富弘作詞 なかにしあかね作曲
 ピアノ:尾上絢音(5年) 指揮:岡村要



4・5.女声合唱とピアノのための組曲「桜の花びらのように」から
     2.十月 4.桜の花びらのように  みなづきみのり作詞 田中達也作曲




最初に一人の生徒が曲の紹介を兼ねて挨拶をしていました。




2.十月

もの悲しいメロディのピアノで始まり、すぐに合唱も始まりました。
その歌声がかなり上手いと思いました。
パートごとに分かれてハーモニーしていて良い響きでした。
最後の消えゆくようにどんどん小さくなっていく終わり方がとても良かったです




4.桜の花びらのように

この歌は歌詞を聴いていて旅立ちの歌なのがよく分かりました。
悲しい雰囲気になるのかと思いきや力強くなる場面もありました。
そして一人の生徒がソロで歌う場面があり、これもよく大役を果たしたと思います




6.女声合唱組曲「今日もひとつ」から
     5.今日もひとつ  星野富弘作詞 なかにしあかね作曲

合唱前に一人の生徒が挨拶で「普段どおりの生活ができるのが、どれだけありがたいか」といったことを言っていました。
今年は広島でも豪雨災害があり、その言葉の重みを感じました。

「今日もまた一つ悲しいことがあった」「今日もまた一つ嬉しいことがあった」
この歌詞が印象的で、窓辺で遠くの景色を見ながら自身の過ぎていく日々に思いを馳せているような歌でした。
どんどん過ぎていく何気ない日常に、時に思いを馳せるのは良いことだと思います



中学合唱部
 7.花は咲く 岩井俊二作詞 菅野よう子作曲
 8.wave 漆戸啓作詞・作編曲
 9.前へ 佐藤賢太郎作詞・作曲
10.天使と羊飼い コダーイ作曲
 ピアノ:恩田絵美  指揮:吉野谷直子



7.花は咲く 岩井俊二作詞 菅野よう子作曲

この曲は東日本大震災からの復興支援で生まれたチャリティーソングです。
「はなーは はーなは はなはさくー」のところで一気に大きな声になり、その迫力のある歌声がドラマチックさも併せ持っていてとても良かったです




8.wave 漆戸啓作詞・作編曲

一つのパートが歌うとそれに応えるように別のパートが歌うというように、パートごとに呼応した歌い方が良かったです。
さらにハーモニーしている場面もあり、ソプラノの高い音にかなり引かれました。
「夢を歌うのさ」という歌詞にも引かれ、夢という言葉への憧れめいた気持ちが呼び起こされました。




9.前へ 佐藤賢太郎作詞・作曲

この曲も迫力のある場面がかなり良く、合唱の凄さを感じました。
またこの頃になると向かって左側がソプラノ勢、右側がアルト勢という布陣になっているのも分かりました。




10.天使と羊飼い コダーイ作曲

クリスマスが間近ということで最後にこの曲を歌いました。
イエス・キリストの生誕について歌った曲で、4曲聴いた中で一番凄味を感じました。

ピアノなしのアカペラで謳っていて、ソプラノとアルトの呼応が良かったです。
迫力も凄く、アルト勢が「ラー」の歌声で支えてソプラノ勢が力一杯歌っている場面は特に引かれました



第2部

ヴァイオリン独奏
 1.美しきロスマリン クライスラー作曲
 2.シチリアーノ パラディス作曲
 3.ハンガリー舞曲 第17番 ブラームス作曲
 4.気まぐれ女 作品17 エルガー作曲
 5.ポエム フィビフ作曲
 6.ツィゴイネルワイゼン サラサーテ作曲
 ヴァイオリン:木村紗綾  ピアノ:長谷川朱里




写真左がピアノ伴奏の長谷川朱里さん、右がヴァイオリンの木村紗綾さん。
二人ともかつて安田女子中学高等学校で学んでいて、今回ゲストで登場しました。
長谷川朱里さんは高校卒業後にエリザベト音楽大学に進学し、木村紗綾さんは中学校卒業後にチェコのプラハ音楽院に進学しました。




ヴァイオリンが音鳴らしをしているところです。




1.美しきロスマリン クライスラー作曲

明るく優雅な曲で、「ターラーラーラーッララー」という流れるようなメロディが印象的でした。
聴いていて気持ちも穏やかに明るくなりました




演奏後のトークで木村紗綾さんは幼稚園から安田学園で過ごしたと言っていました。
またここでも「平和に過ごせているのは幸せなこと」といった言葉があり、日常を過ごせているのが当然のものではないことが意識されました。




長谷川朱里さんもトークしていて、二人ともトークも上手いなと思いました。




2.シチリアーノ パラディス作曲
8194

ゆったりとした高い音のメロディでした。
そして少しもの悲しさも感じる音色になる場面もあり、心が洗われるような気持ちになりました。




3.ハンガリー舞曲 第17番 ブラームス作曲
8201

もの悲しさの中に気高さも感じる始まりでした。
高音をかなり速いスピードで弾いた時の迫力が良かったです。
途中でややゆったり目の演奏になった後、「タッタッタ」と刻む音を何度も出していたのも良かったです。
刻む音の中に躍動も感じました。




4.気まぐれ女 作品17 エルガー作曲
8208

短くゆったり目の演奏をした後にスパパパパとみじん切りをするかのような細かく刻む音になる場面が何度もありました。
凄く高い音から低い音に速めに演奏しながら音がどんどん下がっていく場面が2回あったのも印象的でした。
最後がピッチカート(指だけでポロンポロンと弦を鳴らすこと)だったのも印象的で、チャーミングな終わり方だと思いました。




5.ポエム フィビフ作曲

演奏前のトークでこの曲はチェコの曲で哀愁高い音楽で、そういった曲はチェコに多いと言っていました。
「ポエム」は2分の曲でヴァイオリンの4本ある弦のうち2本の弦でずっと綺麗なメロディになっているのが特徴とのことです。
聴いてみるとゆったりとした始まりで、音がかなり高くなり、そしてずっとゆったりとしていてまさに綺麗なメロディでした




6.ツィゴイネルワイゼン サラサーテ作曲

演奏前のトークで「派手な曲」と言っていたとおり、凄く派手な始まりでした。
音を震えさせながら出し、さらにその音が速く、そこにピッチカートで区切りをつけるという演奏がかなり興味深かったです。
ピアノの伴奏のないヴァイオリンの独奏もあり、弓を弦にほんの少し当てるくらいの演奏が印象的でした。
凄く高い音をゆったりと伸びのある演奏をし、その中に悲しさも感じた場面も印象的でした。

一気に踊るような演奏になり、凄い速さでした。
「タンタンタン」と勢いと力強さのある連続ピッチカートや物凄い速さでの刻み音などがありました。
最後の盛り上がりが凄く、力強さ、スピード、情感が揃った演奏が神がかっていて強烈に引きつけられました
一音たりとも聴き逃したくないと思うような演奏でした。




ツィゴイネルワイゼンの演奏後、花束をもらう二人。




高校音楽部の指揮をした岡村要さんが登場し、「みなさん、もう一曲聴きたくないですか?」と言いアンコールの音頭を取ってくれました
ぜひもう一曲聴きたかったのでかなり嬉しかったです




そして最後に、




アンコール曲「チャルダッシュ モンティ作曲」の演奏に突入しました。

ゆったりとした演奏で始まりました。
この曲も凄く高い音があり、やがて物凄く速い刻み音での演奏になります。
その物凄い速さで刻みながらも流れるように弾いているのが凄いと思いました。

演奏がややゆったりとし、ヴァイオリンの物凄く高い音にピアノが水の中をたゆたうような演奏で合わせていたのも印象的でした。
演奏がまた速くなり、物凄い速さでの刻みになります。
この曲も最後の盛り上がりが凄く、聴いていて「すげえ」と声が洩れました。
「広島プロミシングコンサート2018」でも「すげえ」と声が洩れたことがあり、素晴らしい演奏を聴くと感嘆の声が洩れることがあるのを最近感じています。


第8回復興支援チャリティーコンサート、良いコンサートでした。
安田女子中学高等学校から木村紗綾さんと長谷川朱里さんが輩出されているので、今日演奏した在校生の中から二人のような人が現れるかも知れないとも思いました。
復興支援チャリティーコンサートを毎年続けているのも素晴らしいです。
学生さん達の芸術センスの高さにも驚き、ぜひどんどん活躍していってほしいと思いました


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演奏者プロフィール


木村紗綾

3歳よりヴァイオリンを始める。
2010年安田女子中学校を卒業後、プラハ音楽院に首席入学。
第50回コツィアン国際ヴァイオリンコンクール第1位、第35回チェココンセルヴァトワール・ギムナジウム国際コンクール最高位、第38回第1位受賞など国内外のコンクールで入賞。
2011年ヒロシマ平和創造基金より2年間奨学金を授与される。
チェコフィルハーモニー管弦楽団オーケストラアカデミーに在学中は、プラハの春音楽祭、スメタナ音楽祭等に出演。
2016年からは大植英次氏と威風堂々クラシック in Hiroshima などで多数共演。
現在チェコフィルハーモニー管弦楽団、プラハ交響楽団などの客演奏者としても活躍している。
これまでに村上直子氏、石川静氏、中村英安昭氏に師事、現在プラハ音楽院にてイージー・フィッシャー氏に師事。


長谷川朱里

安田女子中学高等学校を卒業後、エリザベト音楽大学に進学。
同大学大学院をセシリア賞を受賞し首席で修了。
卒業演奏会や新人演奏会等国内外の演奏会に多数出演。
これまでに多田愉可、天野圭子、柴田美穂、横山幸雄各氏に師事。
現在エリザベト音楽大学付属音楽園講師、りずみっく講師を務める傍ら、演奏活動を行っている。

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「第9回 ハートフルコンサート」
「広島女学院 第22回クリスマスチャリティーコンサート」
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「チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲 第1楽章」(ソリスト:川本冴夏)

エリザベト音楽大学 「Trio Riviere ~トリオ リヴィエール~」コンサート

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(写真左からファゴットの砂奥亜衣さん(愛知県立芸術大学4年)、サクソフォンの杉本澪さん(愛知県立芸術大学4年)、サクソフォンの進正裕さん(エリザベト音楽大学4年)、ピアノの若狭南美さん(エリザベト音楽大学4年)、パーカッションの安倍聖人(まさと)さん(エリザベト音楽大学4年))

12月26日は広島県広島市のエリザベト音楽大学ザビエルホールに「Trio Riviere ~トリオ リヴィエール~」というコンサートを聴きに行きました。

こんなに悲しさを感じるコンサートは初めてでした。
音楽を志しやってきた人が大学卒業と同時にそこから離れるのが分かったことによるものでした。
5人の中で若狭南美さんと砂奥亜衣さんがその進路になるとのことでした。
そして「美しさ」を強く感じるコンサートでもありました。

若狭南美さんは「今日のコンサートは忘れられない時間」と言っていました。
音楽から離れる決断をしても、今日この時間は音楽とともにあり最高の晴れ舞台だというのを噛み締めていたのだと思います。
それが「美しさ」となってこちらに伝わってきたのだと思います。


-------------------- エリザベト音楽大学 「Trio Riviere ~トリオ リヴィエール~」コンサート --------------------



(3曲目演奏時)

1曲目は「P.M.デュボア/パリジェンヌ風に」で、この曲には間に合いませんでした。

2曲目の「E.モリコーネ/ガブリエルズ・オーボエ」から聴くことができました。
サクソフォン(サックス)とマリンバによる演奏で、マリンバのゆったりした演奏で始まりました。
サックスが始まり、ゆったりとしてすごく高い音で綺麗な音色でした。
マリンバの独奏があり、この楽器はとても奥行きを感じる音を出すのが改めてよく分かりました。
サクソフォンの演奏も始まりこの音が凄く綺麗でした。
高くて安らぐ音色でした。




(3曲目演奏前に安倍聖人さんトーク中)

3曲目は「L.アンダーソン/フィドルファドル」でした。




(3曲目演奏後若狭南美さんトーク中)

演奏はピアノとマリンバで行われ、リズムの良い始まりでスピードも速かったです。
「タンタンタタタン」という演奏が何度も繰り返され、それにピアノもピタリと合わせていました。
一度やや下がったスピードがまた上がり、その後は最後まで速くてスピードが印象的な曲でした。




トークの間に次の曲に向けてセッティングしているところです。
演奏者もセッティングに加わって活発に動いていました。




(サクソフォンの杉本澪さん演奏前にトーク中)

4曲目は「A.ピアソラ/ブエノスアイレスの冬」でした。
ここで初めて5人全員での演奏になりました。




(4曲目演奏前、5人で音慣らししているところ)

荘厳な始まりでした。
演奏前のトークで言っていたとおり、タンゴの雰囲気になります。
ピアノのソロがあり情感たっぷりな音色を響かせていました。
一気に激しい全体演奏になります。

ファゴットが目立つ場面があり、これまでファゴットが目立つ場面はあまり見たことがなかったので演奏を聴いて深みのある音なのがよく分かりました。
杉本澪さんと進正裕さんのサクソフォンがそれぞれ目立つ場面もあり、二人とも高い音を響かせていましたが進さんの方は力強く響かせてもいて、同じような高い音でも力強さの違いによって聴こえ方も変わります。
全体演奏はゆったりする時とタンゴのような情熱的な雰囲気になる時がありその緩急が印象的でした。

ここで15分休憩して第二部になりました。




(5曲目演奏前。進正裕さんトーク中)

5曲目は「J.ハルヴォルセン編曲/ヘンデルの主題によるパッサカリア」でした。
演奏前のトークで進正裕さんがサクソフォンは息を使う楽器なので長く息を吹く時は工夫しないといけないと言っていました。




(5曲目演奏前。杉本澪さんトーク中)

サクソフォンの二人によって演奏され、ややゆったり目で陽気な雰囲気の演奏で始まります。
そこからさらに陽気で明るくなりスピードも速くなります。
細かく刻むように音を出し続ける場面があり、演奏前のトークで言っていたとおりこういった場面では工夫が必要だと思います。

ゆったりした演奏になり、高い音での穏やかで安らぐ音色でした。
杉本澪さんのサクソフォンが低い音でその音色をしっかり支えていて両方合わさった時の音の奥行きの深さを感じました。
最後は速いスピードで刻む音を演奏し、そこからゆったり目の演奏に変わって終わりました。




(6曲目演奏前。砂奥亜衣さんトーク中)

6曲目は「W.A.モーツァルト/ファゴットとチェロのためのソナタ 変ロ長調K.292」でした。

この曲の演奏前に杉本澪さんが、愛知県在住の自身達がなぜこのコンサートに出演したのかを話しました。
今年の第24回浜松国際管楽器アカデミー&フェスティバルで杉本澪さんと進正裕さんが意気投合し、進正裕さんが「今度コンサートをやるからゲストで出てみない?」とお誘いしたとのことです。
またファゴットの砂奥亜衣さんは高校が若狭南美さんと同じとのことです。

この曲は第三楽章まであり、第一楽章の冒頭、低い音ですが陽気な雰囲気だったのが印象的でした。
演奏はファゴットとバリトンサクソフォンで行われ、どちらも低くて深みのある音でバリトンサクソフォンはより低くより深い音でした。
そして第一楽章はとても優しい音色なのが印象的でした。

第二楽章も優しい雰囲気で始まりゆったりとしていました。
そして楽器の持つ音色と曲のメロディがよく合っていると思いました。

第三楽章は陽気な雰囲気で始まりました。
そしてとても優雅で気品のあるメロディで、低めの音でも魅力的なのがよく分かりました。




(7曲目演奏前。若狭南美さんトーク中)

7曲目は「G.ピエルネ/演奏会用独奏曲 作品35」でした。

この曲は若狭南美さんと砂奥亜衣さんの二人で演奏しました。
若狭南美さんが演奏前のトークで二人とも広島市の安田女子高校だったと言っていて、つい先日
「安田女子中学高等学校 第8回復興支援チャリティーコンサート」の記事を書いたばかりだったのでこれは驚きました。
二人は高2で同じクラスになり仲良くなり、高3では別のクラスになりましたが毎日手紙を交換するほど仲良しだったとのことです。
この時に若狭南美さんが二人とも大学卒業と同時に音楽から離れると言い、今日のコンサートは忘れられない時間だと言いました。

曲は力強さを感じる始まりでした。
ピアノもファゴットも独奏がありどちらも情感たっぷりでした。
そしてどちらもとても力強く、引き込まれる音色でした。




(8曲目演奏前。進正裕さんトーク中。)

8曲目は「吉松隆/サイバーバード協奏曲」でした。




進正裕さんがトークしている間にドラムセットの準備をしていました。

進正裕さんが今回のコンサートは6月頃に企画し始めたと言い、若狭南美さんが「三人で何かやろうよ」と言ったのが始まりだったと言っていました。
私はこれを聞いてコンサートをしようと思ったらそんなに前から準備しないといけないのかと驚きました。
どんな曲を演奏するかの検討から始め、チケットやプログラムの作成や本番に向けて稽古して完成度を上げるにはそれくらい前から準備しないと間に合わないのかも知れないと思いました。




そしてついにプログラムの最後となる8曲目の演奏になりました。

曲はサクソフォンのために書かれた曲で、世界で高い評価を受けているとのことです。
サイバーバードは電脳空間にいる鳥のことで、第三楽章まであり、第一楽章は彩(あや)の鳥、第二楽章は悲(ひ)の鳥、第三楽章は風の鳥と名付けられています。
第二楽章を書いている時に吉松隆さんの妹さんが亡くなったというのが印象的でした。

演奏は進正裕さん、安倍聖人さん、若狭南美さんの三人で行われ、第一楽章はサクソフォンは力強く、ピアノは不穏な響きで始まりました。
ピアノとサクソフォンが交互に演奏して呼応し、やがてパーカッションも本格的に始まります。
ピアノとサクソフォンが呼応した直後にマラカスで音色に節を付けていたのが印象的でした。

途中で迫力が凄くなり、やがて音がほとんどなくなります。
ピアノがとてもゆっくりと始まります。
サクソフォンが続き、高い音でとてももの悲しい雰囲気の演奏をしていました。
ピアノは静かに演奏しサクソフォンのもの悲しさに寄り添っていました。
最後、サクソフォンの演奏がとても力強くなり、高い音で迫力が凄くて引かれました。

第二楽章と第三楽章は切れ目がなく続けて演奏していました。
低音のピアノと高音のサクソフォン、マラカスで始まりました。
パーカッションはドラムを叩くようになり、ピアノとサクソフォンは迫力がありました。
ピアノは重みのある音色が凄く、サクソフォンの高音も迫力が凄かったです。

ピアノとパーカッションでの演奏になり、情感がかなり出ていました。
ピアノの独奏になり凄い速さでポロロロロと弾いていました。
サクソフォンも独奏がありこちらも速い演奏でした。
ドラムを叩く時の迫力が凄まじい場面もあり、それぞれの演奏者が順番に目立っていました。

サクソフォンが迫力ある演奏をしている時に凄く上手いと感じ引かれました。
最後は最大音量での物凄い演奏になりました。


アンコールは小田和正さんの「ラブ・ストーリーは突然に」でした。
安倍聖人さんの「ワンツー」の掛け声で演奏が始まりました。
一番有名な部分のメロディで特に気持ちが盛り上がり、良いアンコール曲と演奏ぶりだと思いました。


「忘れられない時間」「大学卒業と同時に音楽から離れる」「このメンバーで演奏するのは今日が最後」といった言葉が印象的で、「万感の思い」という言葉がピッタリのコンサートでした。
そしてとても美しいコンサートでした。
コンサートの時間、5人の方々はとても格好良く、強烈に輝いていて、この時間がもっと続いてほしいと思いました。
音楽を続けることを選ぶ人も、離れることを選ぶ人も、このコンサートは忘れられない思い出として、ずっと胸に残っていくのではと思います


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演奏者プロフィール


安倍聖人

1996年生まれ、広島県出身。
12歳より打楽器を始める。
現在エリザベト音楽大学に所属し、アンサンブルやオーケストラ等にも精力的に取り組む。
昨年度はエリザベト音楽大学オーケストラのティンパニストとしてハノーヴァー、ベルリンでの演奏会に出演。
打楽器を渡辺由美子、白石幸弘、小川裕雅、神谷百子の各氏に師事。


進正裕

1996年生まれ。
島根県浜田市出身。
3歳よりピアノ、12歳よりサクソフォンを始める。
現在はエリザベト音楽大学4年に在学し、日々サクソフォンの研鑽に励む。
サクソフォンを杉本孝一、山本京子、正田桂悟、大森義基の各氏に、室内楽を宗貞啓二、赤坂達三の各氏に師事。
第14回日本ジュニア管打楽器コンクール全国大会出場。
第28回中国ユース音楽コンクール 管楽器の部門(木管楽器)で優秀賞受賞。
第18回さくらぴあ新人コンクール本選出場。
第24回浜松国際管楽器アカデミー&フェスティバルにて、オーティス・マーフィー氏のクラスを受講
自主企画の演奏会も数多く、ソロを問わず室内楽やアンサンブルでの活動も精力的に行っている。
今年4月には、古郷島根県浜田市にて自身初のソロリサイタルを開催。


若狭南美

1997年生まれ 広島県出身。
現在エリザベト音楽大学4年生、全額免除特別奨学生として鍵盤楽器を専攻中。
第16回大阪国際音楽コンクールにてピアノ部門エスポワール賞受賞、第8回ヨーロッパ国際ピアノコンクール全国大会金賞受賞及び審査員特別賞受賞。
前田麻紀氏に師事。


杉本澪

北海道遠軽町出身。
北海道立遠軽高等学校卒業。
第3回Kサクソフォーンコンクール優秀賞。
第1回Kグランプリコンクール優秀賞。
第23回浜松国際管楽器アカデミー&フェスティバルにて、オーティス・マーフィー氏のクラスを受講。
同アカデミーの講師推薦プレミアムコンサートに出演し、アクト・ニューアティスト・シリーズ2018に選出される。
サクソフォーンを北口智宏、佐藤淳一、田中靖人の各氏に師事。
現在、愛知県立芸術大学4年次在学中。


砂奥亜衣

広島市出身。
4歳よりピアノを始める。
ピアノとソルフェージュを、桑原くるみ、鹿取裕美子の各氏に師事。
12歳よりファゴットを始め、これまでにファゴットを、中本倫子、岡崎耕治、青谷良明の各氏に師事。
フランク・フォレスト氏のレッスンを受講。
第15回大阪国際音楽コンクール管楽器部門本選に出場。
2015年、2016年に、大植英次プロデュースの、威風堂々クラシック in Hiroshima にて、アンサンブル奏者として演奏。
現在、愛知県立芸術大学音楽学部管打楽器コース4年次在学中。

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今までに書いた関連記事
「エリザベト音楽大学 第77回定期演奏会」
「エリザベト音楽大学 Autumn Concert」
「エリザベト音楽大学 院生アンサンブル「ライツェント・グランツ」」
「エリザベト音楽大学 創立70周年記念演奏会」
「エリザベト音楽大学 大学祭」
「一楽章f未完成 FLUTE VIOLIN CONCERT」
「一楽章f未完成 「永遠につづく音」コンサート」
「一楽章f未完成 「イル・ピアッチェーレ ひろしま」コンサート」
「楓子さんワンマンライブ『それでいいんだ』」
「第9回 ハートフルコンサート」
「威風堂々クラシック in Hiroshimaコンサート」
「広島女学院 第22回クリスマスチャリティーコンサート」
「広島プロミシングコンサート2018」
「チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲 第1楽章」(ソリスト:川本冴夏)
「安田女子中学高等学校 第8回復興支援チャリティーコンサート」


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「書店ガール7 旅立ち」碧野圭

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今回ご紹介するのは「書店ガール7 旅立ち」(著:碧野圭)です。

-----内容-----
中学の読書クラブの顧問として、生徒たちのビブリオバトル開催を手伝う愛奈。
故郷の沼津に戻り、ブックカフェの開業に挑む彩加。
仙台の歴史ある書店の閉店騒動の渦中にいる理子。
そして亜紀は吉祥寺に戻り……。
それでも本と本屋が好きだから、四人の「書店ガール」たちは、今日も特別な一冊を手渡し続ける。
すべての働く人に送る、書店を舞台としたお仕事エンタテインメント、ついに完結!

-----感想-----

「第1章 愛奈」
高梨愛奈は吉祥寺にある中高一貫の私立で中学校の司書教諭をして二年になり、読書クラブの顧問もしています。
5月の終わり、読書クラブが体育祭のクラス対抗リレーで三年連続優勝し、愛奈がクラブ員達に三連覇のお祝いをねだられ「びいどろ」というブックカフェで奢ることになります。
読書クラブは元々読書が好きな人の他に、クラブよりも趣味や勉強やスポーツに力を入れたい生徒達の受け皿にもなっていて、井出聡司という三年生のクラブ員はサッカーの全国大会でも上位を争う強豪クラブチームのエースです。
福永卓也という二年生のクラブ員も井出とは別のサッカーのクラブチームに所属しています。
さらに碇信一郎という三年生のクラブ員は芸能事務所のアイドル養成スクールに出入りしていて、そんな人が次々と出てきて驚きました。
私立の学校ならそんなこともあるのだと思います。

中村奏大(かなた)という入学以来学内テストでトップの座を明け渡したことがない秀才の三年生クラブ員だけが「びいどろ」に行くのを断り周りを戸惑わせます。
しかし愛奈は読書クラブの子達を次のように評していました。
ほかのクラブなら、中村のような単独行動をする人間は冷たい目で見られがちだ。仲間外れになるかもしれない。しかし、このクラブの子たちは、次に中村に会った時にはふつうの態度で接するだろう。そういう優しさが、読書クラブの体質だった。
この体質は良いなと思いました。

「びいどろ」で部長の高田ふみと書記の松川知弥(ちや)が「今年の文化祭ではビブリオバトルをやりたい」と案を出します。
ビブリオバトルは最初にそれぞれの人が読んで面白いと思った本を一冊決め、次にみんなの前で一人5分で順番にその本を紹介し、それぞれの人の紹介の後に参加者全員でその発表についてディスカッションします。
最後にみんなで一番読みたくなった本に投票し、一番多く票を集めた本がチャンプ本になります。
「チャンプ本」とあり、一番良い発表をした人が優勝しても主役はあくまで本なのは読書の催しらしくて良いと思います。
多数決の結果文化祭ではビブリオバトルをやることになり、まず三年生がお手本としてみんなの前で実際にビブリオバトルをやってみることになります。

ビブリオバトルで井手が「脳に悪い7つの習慣」という本を紹介した時、人は「もうゴールだ」と思うと脳の血流が落ちてパフォーマンスが落ちるとあったのは初めて知ったので興味深かったです。
そして全員発表後の投票の結果中村だけ一票も入りませんでした。
発表はよくできたものでしたが言葉が平坦で感情が込もっておらず、みんなを退屈させる内容だったことによるものでした。

二日後、中村が文化祭のビブリオバトルには出ないと言います。
高田や松川が反発して不穏な雰囲気になりますが高野大介という三年生がのんびりと仲裁に入ります。
中村が紹介した「きみの友だち」(著:重松清)という小説は中学入試に出やすい本で読書クラブ員にも既に読んだことのある人がいるはずで、そういった人はもう読んだことのある本には投票しないことが予想され最初から不利だったというのは興味深かったです。

やがて中村は小学校時代にいじめに遭ったのが原因でありのままの自分を出して回りに嫌われるのが怖いと思っていることが明らかになります。
また中村は読書クラブを気に入っていることも明らかになり、読書クラブの活動には常に淡白に対応しているように見えたのでこれは意外でした。

愛奈がビブリオバトル用の本を探したいと言う一、二年生を連れて新興堂書店吉祥寺店に行くと店長の西岡理子がいます。
理子は東日本のエリア長でもあります。
また新興堂チェーンが取次に吸収合併されたとあり、今どんなことになっているのか気になりました。

愛奈は新興堂書店吉祥寺店で中村に遭遇します。
中村は都立高校入試問題集を見ていて、金銭問題で今の私立を止めて都立高校に行こうとしていることが明らかになります。
また中村が「びいどろ」の集まりに行かなかったのは付き合いが悪いわけではなかったことも明らかになります。

愛奈からの頼みで中村はもう一度みんなの前でビブリオバトルをすることになります。
そのビブリオバトルで中村が自身のことを話し、今度はみんな食い入るように聞き、発表が終わると拍手が起きました。
私もかなり引き込まれて読み、心に触れる言葉の凄さを感じました。


「第2章 彩加」
宮崎彩加は28歳になり、沼津駅前のパスタ店で久しぶりに荒木百合香、小澤まなみという友達と会います。
三人で話している中でトルコパン職人で彩加のビジネスパートナーの大田英司がかなり有名になっているのが分かりました。

友達二人は地元の不満を口にしますが彩加は離れてみると地元も良いものだと思っていてこれは私もそう思います。
近年故郷の魅力を感じています。
彩加はまなみの地元への辛辣な言い方に刺を感じ、なぜかと思います。

三人で丸三書店という地元密着の書店の偵察に行きます。
彩加が英司とオープンさせるブックカフェから一番近いライバル店です。
丸三書店に行くと高校三年で同じクラスだった増田潤が店員をしていて彩加の活躍を知っていましたが彩加のほうは覚えていなくて思い出すのに時間がかかっていました。

まなみはその後もしきりにひがみっぽいことを言い、都会慣れした彩加に劣等感を抱いているのかも知れないと思いました。
やがて彩加が高校の卒業式の前日にまなみ達に酷いことを言い、それでまなみは彩加に怒っていたことが明らかになります。
彩加が胸中で語っていた「言葉は、文字にならなくても、ひとのこころに残る。」という言葉は印象的でした。
うっかり言った言葉が災いをもたらすことはあると思います。
この話ではもう一つ、彩加が「言葉は不思議だ。言い方ひとつでこちらの捉え方も変わってくる。」と胸中で語っていてこれも印象的でそのとおりだと思いました。
言い方によって強い不信感を抱かせることもあれば上手く収められることもあると思います。


「第3章 理子」
西岡理子が語り手の物語は久しぶりです。
シリーズが進んでからはたまに少し登場するくらいだったので意外でした。
理子が東日本エリアで統括するお店は多賀城店が閉店して八店舗から七店舗になっていました。

理子は櫂文堂(かいぶんどう)書店仙台本店に来て沢村稔という店長と話をします。
5年前、理子がエリア長になったと同時に宮城県を中心にしたローカルチェーンの櫂文堂書店が新興堂チェーンの傘下に入りました。
岡村真理子という20代前半のかつての小幡亜紀を思わせるような文芸書担当の店員とも話をします。
沢村は仙台の書店員の間で絶大な人気があり、沢村の作った棚は書店員なら誰もが一目置き、地元ラジオ局でお勧め本のコーナーを担当したり新聞にも時々寄稿したりしています。
岡村はそんな沢村のことを尊敬し信奉しています。

理子がバックヤードに行くと新興堂書店本部の総務部長の星野が来ていました。
星野は理子を夕御飯に誘い、その席で新会社が設立され近々正式発表になることを話します。

1ヶ月後、理子は再び櫂文堂書店仙台本店に来ます。
本部の重役会議で仙台本店を閉店させ仙台駅前に新たに大規模なお店をオープンさせることが決まったため沢村に閉店を伝えに来ました。
岡村が理子に話しかけてきて閉店の噂があると迫りますが理子は何とか誤魔化します。
岡村が去った後、理子は「あの子の言うように、この年季の入った店構え、立地、そしてスタッフ。どれ一つ欠けても、櫂文堂は櫂文堂でなくなるだろう。」と胸中で語ります。
櫂文堂書店仙台本店はとてもレトロな雰囲気で、最近では若い女性などがよくお店の中に写真を撮りに来るようにもなっています。
しかし理子はお店を守るために戦うのは無理だと考え、自分にできることは穏やかに新店への移転を進めることと考えます。
かつて自身が店長だったペガサス書房で閉店の危機を前に会社の上層部と戦い、お店を守れずスタッフも散り散りになった理子は今度はスタッフだけは守りたいと考え、新店のオープンをつつがなく進める代わりに櫂文堂書店仙台本店のスタッフの希望者全員を新店で働かせてもらおうとしています。

新聞記事に櫂文堂書店仙台本店の閉店のことが取り上げられ寝耳に水だった現場スタッフに動揺が走り、理子が仙台本店に行き自身の口でスタッフ達に仙台本店の閉店と新店のオープンのことを伝えます。
岡村が店名はどうなるのかと質問し、理子が会社が新しくなることで店名も変わるかも知れないと言うと、岡村は場所が変わって名前も変わるならもうそれは櫂文堂とは言えないのではと言います。
さらに他の従業員達も櫂文堂の名前を残してほしいと理子に詰め寄ります。
すると沢村が凄く良いことを言います。
櫂文堂の名前を残すには本部に「これなら櫂文堂の名前を残したほうが得と思わせるのが良策で、スタッフ一人ひとりが本部の人達にこれなら名前を変えず櫂文堂のままで行こうと思わせるには何をしたら良いかを考えてほしい」ということを言っていました。
ただ騒いだり理子に詰め寄っても何にもならないのはそのとおりだと思います。

理子は沢村がスタッフに「会社の立場を理解してほしい」「雇用は守られるから協力してほしい」ということを言ってくれるのを期待していたため、策を練って櫂文堂の名前を残すために戦おうということを言ったことにショックを受けます。
そんな理子に沢村は「おためごかしを言っても、みんなは納得しません」と言い、これもそのとおりだと思います。
理論だけ言っても現場で働いている人達からは総スカンになると思います。

沢村が今の時代は本を買うことにも物語が必要と言っていたのは興味深かったです。
ただ本を買うならネットでも良いため、そのお店で買う意味が必要とあり、ネットが台頭する中で生き残るために考えているのがよく分かりました。

ある日お客達が店にやってきて閉店は本当なのかと理子に詰め寄ります。
理子は騒がれれば騒がれるだけことは面倒になり本部からの心証が悪くなりスタッフ達の新店舗での雇用も危うくなると考え、何とか穏便に済まそうとします。

岡村が自身が作っている「ウサ耳通信」というフリーペーパーの号外を出して閉店の危機を知らせ、さらに騒ぎが広がることに理子は焦ります。
理子はしきりに「ことを荒立てたくない」という言葉を使っていて、荒立てたくないという気持ちに取り憑かれているかのように見えたのが印象的でした。
岡村はむしろ大騒ぎにして本部の人達に櫂文堂書店仙台本店がどれほどこの街で必要とされているかを分からせたいと言いますが理子はそんな岡村を説得します。

理子は東京の本部で事業部長の中田哲也の話を聞いて、会社が消したいのは櫂文堂の名前のみならず商売の仕方そのものだと理解します。
効率を追い求める本部にとって櫂文堂書店仙台本店のお客に寄り添うきめ細かいサービスの仕方は効率的ではないと考えられ排除されようとしています。

理子は本部で亜紀と再会します。
亜紀はフェイスブックで書店員とつながっているので櫂文堂の騒動を知っていました。

理子が櫂文堂書店仙台本店に行き、新店舗の名前が「REAL BOOKS仙台店」になると会社から正式発表されたことを告げると岡村は激怒し他のスタッフ達もざわつきます。
すると沢村が仙台市から櫂文堂を存続できないかというメールを貰ったと言い、さらに新聞社から「櫂文堂の百年」という集中連載をしたいと言われていると言いみんなを鼓舞します。
どんどん話が大きくなっていき、呆然とする理子とは対照的に岡村達は盛り上がります。
ついに理子はある決意をします。

櫂文堂書店仙台本店の閉店騒動は意外な形での決着になりました。
さらに沢村が驚きの決断をします。
この展開を見てなかなか思うようには行かないのがよく分かりました。
しかし理子が最後に「ことを荒立てたくない」と強迫観念のように思っているだけではなくなったのは読んでいてワクワクしました。


「第4章 亜紀」
この話はとても短い話で、亜紀の新たな旅立ちが描かれていました。
亜紀は新興堂書店吉祥寺店の店長として現場に戻ることになります。
理子と先週会った時の回想があり、理子が「その地にいられるうちにしかできないことを楽しむ」といったことを言っていたのは良い言葉だと思いました。
亜紀の店長としての最初の一日が始まるところで物語は終わります。


「書店ガール」シリーズは今作が最終巻となります。
理子、亜紀、愛奈、彩加それぞれの近況が描かれ、四人全員がそれぞれどう進んでいくのかを知ることができて良かったです。
四人ともシリーズの中で様々なことがありながらも本に携わり続けられているのも良かったです。
四人のこれからの本に携わっていく日々が明るいものであることを願います


「書店ガール」シリーズの感想記事
「書店ガール」
「書店ガール2 最強のふたり」
「書店ガール3 託された一冊」
「書店ガール4 パンと就活」
「書店ガール5 ラノベとブンガク」
「書店ガール6 遅れて来た客」


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※図書ランキングはこちらをどうぞ。

新年のご挨拶

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新年明けましておめでとうございます
今年もよろしくお願いします。
良い一年になることをお祈り致します

写真右下のお雑煮3杯とともに餅を5個も食べるパワフルな元旦になりました。
きんぴらごぼう、煮豆、だし巻き玉子のお正月らしい料理も食べました。
そして元旦を青空で迎えられて嬉しいです

何と今日は少し喉が痛く風邪を警戒しながら過ごしています。
明日は皇居の新年一般参賀に行こうとしているのでぜひ風邪にはならないでほしいです。
朝野菜がたくさん入っているお雑煮を3杯食べたのはビタミン類が摂れて良かったと思います。
ダイエットからは遠ざかりますが風邪を引くかも知れない時はどんどん栄養を取って身体の抵抗力を上げたほうが良いと思います。

今日早く寝て身体を休めれば何とか風邪にならずに済むかなと思います。
明日は平成では最後の新年一般参賀にぜひ行きたいと思います

今年のブログ

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2019年が始まり、今年もブログを書いていきます。
小説の感想記事は、最初はまず音楽関係の小説を読んでいくことになります。
昨年の秋からクラシックのコンサートを中心に音楽をよく聴くようになった経験が読書にも生かされることになりました。
今年一つ目の小説は「響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ」(著:武田綾乃)を読んでいます。

昨年は小説の感想記事、フォトギャラリーの他に1997年の大河ドラマ「毛利元就」の感想記事や、秋からはコンサートの感想記事もよく書きました。
「毛利元就」は今年ぜひ第五十回まで見終わりたいと思います。
安芸の国(広島県)を中心とした中国地方が舞台で、私が住んでいる地域の大河ドラマなので興味深く見ています。

コンサートの感想記事は「文章」で演奏の良さを表現することの難しさを感じています。
そして面白くもあり、今より良い文章表現を思い付けば改良していきたいと思います。

フォトギャラリー館は、見やすさを上げるように構成を少し変えられればと思います。
図書ランキングも前回の加筆修正から時間が経ったので新たな加筆修正ができればと思います。
今年もマイペースに楽しくブログを書いていきたいと思います

新春という言葉

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1月1日になると「新春」という言葉がよく聞かれるようになります
私はかつて、真冬なのになぜ「春」という言葉を使うのか疑問でした。
調べてみると陰暦での1月が春に当たることから新春という言葉が使われたようですが、気象庁の区切りでは3月から5月までが春で、春まで2ヶ月もあるお正月のうちに「春」という言葉は早すぎる気がしていました。

しかし近年、新しい春を迎えられる年になったから「新春」なのだと思うようになりました。
「春」という言葉に持っていた先入観からお正月のうちに使う「新春」に違和感がありましたが今はすっかりなくなりました。
そして気持ちとしても12月は秋から冬になったばかりで春には遠い気がしますが、1月は12月~2月の冬の期間の真ん中になり、さらに新年を迎えて新鮮な気持ちになっているので春は確実に近づいていると感じられるようになります。

お正月に聞く「新春」は清々しく明るい響きで聞こえる言葉になりました。
長い年月の間に言葉に抱く印象が変わることはあると思います。
そして「新春」のような言葉の印象が変わった時、その言葉の新たな意味を見出した気がして嬉しくなることもあります。
新春を迎えた今、今年も冬がどんどん進みやがて春になるのを感じています。
やがて来る春を楽しみに、蝋梅の花や梅の花を見たりしながら春に向かっていきたいです

ブログの底力

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ブログのアクセスには二通りあります。
一つ目は記事をアップした時に短期で集中するアクセスで、二つ目は今までに書いた記事に日々緩やかに集まるアクセスです。
私は二つ目を「ブログの底力」と考えていて、アクセスを安定させながらゆったり伸ばしていくにはこの「ブログの底力」が重要だと思います。

私のブログで「ブログの底力」の中心的存在になっているのは小説の感想記事とフォトギャラリーです。
この二つのカテゴリーはブログの屋台骨を担っていて、たくさん記事数のあるこの二つのカテゴリーがブログのアクセスを安定させ土台を形作っています。
小説の感想記事とフォトギャラリー、どちらも記事が増えるごとに日々緩やかに集まるアクセスの数もわずかずつ増えていき土台も強固になっていきます。
その土台の元で新たな記事を書いていくのが私のブログの考え方です。
土台がしっかりしていればこそ、他のカテゴリーの記事にも力を入れることができ、さらにはアップするのに何日かかかるような大規模な記事でもどっしりと構えて書けるようになります。

底力を持たないブログの場合、ある程度アクセスを安定させるには毎日ブログを更新するしかなくなり、場合によっては一日に何記事も書かないといけなくなります。
そしてもしアクセス数に強くこだわる人だと、毎日ブログを書くのが強迫観念のようになってきます。
それらはとても疲れると思うので、私は目先のアクセスアップよりも底力を重視しています。
ブログの屋台骨を担い底力となるカテゴリーの存在は重要で、今後も大事にしていきたいと思います。

「響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ」武田綾乃

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今回ご紹介するのは「響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ」(著:武田綾乃)です。

-----内容-----
北宇治高校吹奏楽部は、過去には全国大会に出場したこともある強豪校だったが、顧問が変わってからは関西大会にも進めていない。
しかし、新しく赴任した滝昇の厳しい指導のもと、生徒たちは着実に力をつけていった。
実際はソロを巡っての争いや、勉強を優先し部活を辞める生徒も出てくるなど、波瀾万丈の毎日。
そんななか、いよいよコンクールの日がやってくるーー。
少女たちの心の成長を描いた青春エンターテインメント小説。

-----感想-----
中学校生活最後の吹奏楽コンクールのプロローグで物語が始まります。
語り手は黄前(おうまえ)久美子で、久美子の中学校は金賞を受賞します。
「金は金でも関西大会には進めないダメ金(金賞を受賞した学校の中から関西大会に進む学校が選ばれる)」とありましたが、金賞を受賞できたことに生徒達は盛り上がります。
しかし麗奈という子だけが涙を流しながら「悔しい。悔しくって死にそう。なんでみんな金賞なんかで喜べんの?アタシら、全国目指してたのに」と言っていたのが印象的でした。



久美子は京都府立北宇治高校に進学します。
入学式の校歌斉唱の時久美子は吹奏楽部の演奏を聴いて酷い演奏だと思い、これなら入部はやめようと思います。
また新入生代表の挨拶は高坂(こうさか)麗奈で、プロローグに登場した久美子と同じ吹奏楽部だった人でした。

久美子が教室に入り席に着くと隣の席の加藤葉月が話しかけてきます。
担任は松本美知恵という恐いベテランの音楽教師で吹奏楽部の副顧問をしています。
松本先生がクラスの名前の確認をした時、川島緑輝(サファイア)という名前の子がとても印象的でした。
緑に輝くと書いてサファイアは完全にキラキラネームだと思いました。
本人が恥ずかしがっていたのも印象的でこの名前は嫌だろうなと思います。

高校最初の一日が終わり久美子は葉月と話します。
葉月は中学はテニス部でしたが高校では吹奏楽部に入るつもりだと言います。
サファイアも話しかけてきて吹奏楽部に入るつもりだと言い、自身のことは緑と呼んでと言います。
緑は私立の聖女中等学園出身で、そこは吹奏楽部の超強豪校です。
緑はコントラバスの奏者、久美子はユーフォニアムの奏者でどちらも低音の楽器です。
二人の話を聞いて葉月が「ふうーん。うちはやっぱ派手な楽器がやりたいなあ。トランペットとか、サックスとか」と言っていたのはよく分かりました。
ヴァイオリンやフルート、トランペット、サックス(サクソフォン)などは高音の派手な音が出るので人気になると思います。
緑も吹奏楽部の演奏は下手だと思っていますがとにかく楽器ができたら良いと考えています。
緑も葉月も吹奏楽部に入ると言い、どうしようか迷っていた久美子は二人に流される形で入部することにします。

久美子が最寄り駅の京阪宇治駅で降りて歩いていると幼馴染みで同じ北宇治高校に入った塚本秀一が話しかけてきます。
熱心に話しかける秀一と冷たくあしらう久美子の掛け合いが面白かったです。
秀一も久美子が入るなら吹奏楽部に入ると言います。

吹奏楽部への入部希望者が音楽室に集められ、部長やパートリーダーなどが挨拶をして楽器の紹介をしていきます。
部長は小笠原晴香(三年生)でバリトンサックスの奏者、副部長と低音パートリーダーは田中あすか(三年生)でユーフォニアム奏者、トランペットパートリーダーは中世古(なかせこ)香織(三年生)です。

久美子はどの楽器にするかで悩み、あすかと緑に流されて中学校時代と同じユーフォニアムをやることにします。
緑は本人の希望で中学校時代と同じコントラバス、葉月はトランペットを希望しますが定員オーバーでチューバになります。

やがて顧問の滝昇先生がやって来ます。
滝先生は今年から北宇治高校にやって来た音楽教師で、生徒の自主性を重んじるので生徒達の手で今年度の目標を決めてほしいと言います。
そして生徒達が本気で全国に行きたいと思うなら当然練習も厳しくなり、大会に出場して楽しい思い出を作るだけで充分ならハードな練習は必要なく自身はどちらでも良いと考えていると言います。
北宇治高校の吹奏楽部は多くの生徒が練習を真面目にせず演奏が下手な状態ですが、表立って「大会に出場して楽しい思い出を作るだけで充分」とは言いづらいようで、多数決の結果全国大会を目指すことになります。
その多数決で一人だけ「京都大会で満足」に挙手をしたのが斎藤葵で、葵は久美子の家の近所の家に住む二つ年上の人です。
久美子がなぜ「京都大会で満足」に挙手したのかを聞くと「辞めるときにさ、意見は前から伝えてましたって言えるやん」と言っていました。
周りが全員全国大会を目指すほうに挙手している中で一人だけ「京都大会で満足」に挙手するのは勇気の要ることで、周りに流されがちな久美子との対比が印象的でした。

低音パートの練習が始まり、あすかの他にはチューバの長瀬梨子と後藤卓也、ユーフォニアムの中川夏紀(いずれも二年生)がいます。
吹奏楽部は三年生が35人、二年生が18人、一年生が28人で、二年生が少ないのはなぜなのかと緑が聞くと後藤が「一年生が気にすることない。知らなくていい」と言い険悪な雰囲気になります。

その帰り道に秀一が久美子に声をかけ、北宇治高校の吹奏楽部は嫌な感じだと言います。
秀一が今の三年生は晴香、あすか、香織といった特例を除いて全然練習しなくて、それが原因で練習をしようとしていた二年生と大揉めになり、何人もの二年生が吹奏楽部を辞めたことを話します。

毎年5月は「サンライズフェスティバル」という京都にある各高校の吹奏楽部が太陽公園を演奏しながら歩くパレードが行われ、まずそこを目指します。
曲はビートルズの「キャント・バイ・ミー・ラヴ」を演奏することになります。
初の合奏が行われますがそれぞれの楽器の音が全く合わずに滝先生に途中で止められて酷評されます。
滝先生の言い方は丁寧ですが凄まじく、パートによっては全く練習せず雑談していたのもばれていました。
滝先生からは次の合奏までにパート練習で合奏ができる状態にしておけと言われます。

その帰り道、久美子と秀一が滝は実力があるのかと言っていると突然後ろから激怒した麗奈があるに決まってるだろと言ってきます。
麗奈も吹奏楽部に入部し楽器は中学校時代と同じトランペットになりました。

次の日久美子がパート練習室に行くと滝先生が来ていました。
滝先生の指導はかなり上手く、次の言葉が印象的でした。
「音程というのは合わせるのがとても面倒ですが、美しい演奏はこの音程を無視してはできあがりません。超絶技巧を見せつけるだけが演奏ではないのです」

吹奏楽部が合奏の前に「チューニング」をした場面も印象的でした。
演奏者達が一斉に同じ音を出してその高低差を調節するもので、昨年の秋からクラシックを中心によくコンサートを聴いた私は演奏者達がチューニングをするのを何度も見ました。
今まで書いた記事では「音鳴らし」と書きましたが正式にはチューニングと呼ぶのかと思いました。

二度目の合奏ではどのパートも大幅に上手くなり滝先生は及第点だと言います。
この日まで滝先生は全てのパートの指導を行い、かなり手厳しいことを言われたパートもあり泣きながら楽器を吹く生徒もいたとありました。

サンライズフェスティバルが来週に迫りパレードで着る衣装が配られた時、スーザフォンという楽器が登場しました。
移動しながら演奏するにはチューバはあまりに重いため奏者の負担を減らすために作られたのがスーザフォンとあり、スーザフォンは知っていましたがそのことは初めて知りました。

サンライズフェスティバルの日を迎え、北宇治高校のパレードが始まると下手なはずだった演奏が上手いことに観客が驚きます。
さらにパレードの前に麗奈が個人でのチューニングをしていた時、その演奏のあまりの上手さに北宇治高校も他校も皆が演奏を止め麗奈のほうを見て辺りがしんとなる場面がありました。
麗奈は全国最強級の抜群の演奏力を持っています。
またサンライズフェスティバルには立華(りっか)高校という私立の超強豪校がやってきます。
立華高校はアメリカ海軍の中尉だったチャールズ・ツィマーマン作曲の行進曲「錨を上げて」を演奏していてどんな曲なのか気になりました。

立華高校には梓という久美子の中学校時代の同級生がいて二人で話をします。
梓が麗奈は立華高校から全額免除の話をもらっていたと言い、それなのになぜ北宇治高校に行ったのか気になりました。

中間テストが終わりいよいよ京都府吹奏楽コンクールに向かっていきます。
課題曲と自由曲が決まり、課題曲は堀川奈美恵さんという架空の人物が作曲した「三日月の舞」、自由曲はナイジェル・ヘスさん作曲の「イーストコーストの風景」(実在する曲)になります。
初心者10人を除いた71人のうち京都府吹奏楽コンクールでA部門に出場できるのは55人です。
全国大会まで行けるのはA部門で、小編成の学校や人数の多い吹奏楽部でA部門に入れなかった人達などが出場するB部門は全国大会への道はないです。
誰をA部門で演奏させるかについて滝先生は北宇治高校の慣例の「年齢順」を止めオーディションで出場者を決めると言い生徒達が騒然とします。
また「ソロパート」もオーディションで決めると言い、三年生を差し置いて一年生がソロの担当になることも有り得るためさらに騒然とします。

そんな中葵が吹奏楽部を辞めると言います。
久美子は出て行った葵を追いかけますが晴香が久美子より先に葵を追いかけていて話をします。
葵は「去年あんなにあの子らのことを責めてたくせに今年のうのうと全国を目指すとは言えない」ということを言っていました。
吹奏楽部を去った現在の二年生達が練習をしっかりやろうとした時に潰しておきながら、今年のうのうと全国を目指すと言うのはおかしいと感じているのだと思います。

久美子はみんなをまとめるのが上手く気さくでもありながら冷たさも感じるあすかに恐ろしさを感じます。
秀一が久美子にあすかのことが苦手だと言い、久美子も私らが思ってるような人ではない気がすると言います。

自由曲「イーストコーストの風景」の説明があり、曲についての理解が深まると曲の物語も分かるようになって面白いと思います。
また「へ音記号」という言葉が出てきて、音楽の専門知識のない私にはどんな記号なのか分からなかったので調べてみました。
調べると意味が分かりもっとしっかりと知識を身に付けたくもなります。
課題曲「三日月の舞」は低音の楽器が活躍する場面が多くさらに課題曲の中で一番難易度が高いとあり、楽譜を見て久美子は不安になります。
オーディションの日取りが近づくにつれて部の空気がピリピリしてきます。

宇治市の小学校では水道の蛇口をひねるとお茶が出るとあったのは驚きました。
お茶の産地宇治らしくて面白いと思います。

葉月は秀一のことが好きになります。
秀一が久美子を「あがた祭り」というお祭りに誘いますが、久美子は葉月の姿を見かけて咄嗟に近くにいた麗奈と行くことにします。
しかし久美子の胸中を見ると本人は自覚していませんが秀一のことが好きなのが分かりました。
久美子が麗奈と一緒に行くと言ったのはその場しのぎのつもりでしたが麗奈が乗り気になり一緒にあがた祭りに行くことになります。

あがた祭りに行くと麗奈は久美子と遊んでみたかったと言い意外に思いました。
久美子があがた祭りを歩く中学生を見た場面で「他人との差異を見せつけるために他人と同じように金髪にした中学生たち」とあったのは印象的な言葉でした。
また久美子が麗奈とお祭りに行くと言った日から秀一が久美子を避けるようになります。

オーディションの日を迎え久美子も演奏します。
オーディションの結果を発表するのは松本先生で、これは威圧感のある松本先生が言うことで生徒から不満が上がるのを押さえるためな気がしました。
久美子は低音パートのAメンバーで名前を呼ばれますが落ちた先輩がいました。
中学校時代、久美子がAメンバーになり自身が落ちた途端態度が変わった三年生の先輩がいたことを思い出し恐ろしくなりますが今度の先輩はそんなことはなかったです。

ユーフォニアムにソロパートはありませんが、次の日久美子はソロパートが発表された直後の様子を見ます。
トランペットのソロには麗奈が選ばれ、吉川優子という香織を慕う二年生がなぜ香織ではなく麗奈なのかと激怒します。
そして優子が滝先生が麗奈を贔屓していると言うと麗奈が激怒します。
この場面を見ると実力でソロパートの奏者が決まっても納得のいかない人は何かと因縁をつけるのがよく分かります。
やがてなぜ麗奈が北宇治高校に来たのかが分かります。

夏休みになり吹奏楽コンクール京都大会の日程が決まり、A編成の部は8月5日、6日に行われることになります。
「私、本気で思っていますよ。このメンバーなら、全国に行けるって」
滝先生のこの言葉が凄くドラマチックでした。
指導も最初は音程やリズムといったものだったのが日を追うごとに表現の仕方といった高度なものに変わっていきました。

「ソロは、あなたが吹くべきやと思う」
これは悔しさと相手を認める気持ちが一緒になっていて凄く引かれる言葉でした。

久美子はユーフォニアムが好きなのを自覚します。
物語を通して周りに流されて惰性でやっている感のあったのが最後に好きなのだと気づいていたのが良かったです。
そしてついにコンクールの日を迎えます。


この作品を読んでやはり青春小説は良いなと思いました。
演奏の下手だった吹奏楽部が強力な顧問のもと全国を目指してどんどん上手くなっていくのはとても盛り上がります。
吹奏楽部に所属している生徒達それぞれに様々な思いがあるのもよく分かり、温度差はありながらも後半ではみんな全国への思いを共にしていました。
前年度までの情熱のなかった吹奏楽部から一気に変わり全国目指して突き進んでいった生徒達の物語は引かれるものがあり面白かったです


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エリザベト音楽大学 フルートオーケストラ 第30回記念演奏会

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昨年の12月8日、「エリザベト音楽大学 フルートオーケストラ 第30回記念演奏会」を聴きにエリザベト音楽大学のセシリアホールに行きました。
フルートの専攻生達がオーケストラを形成していて、今回は30回記念で歴代の専攻生達も出演し大規模な編成になりました。
通常のフルートのほかにアルトフルート、バスフルート、コントラバスフルートが登場し、アルト、バス、コントラバスとなるにつれて大きさが大きくなっていきます。
フルートがヴァイオリン、アルトフルートがヴィオラ、バスフルートがチェロ、コントラバスフルートがコントラバスに該当し、フルートでヴァイオリン属の楽器四種類のように凄く高い音から凄く低い音まで網羅してオーケストラを形成していたのがとても興味深かったです


-------------------- エリザベト音楽大学 フルートオーケストラ 第30回記念演奏会 --------------------



1.「オラトリオ「ソロモン」HWV67より「シバの女王の入城」」 (G.F.ヘンデル)

1曲目はフルートオーケストラのメンバー13人で演奏しました。
明るい雰囲気の演奏で始まり楽しそうな曲でした。
手前の二人だけで吹く時と全員で吹く時がありました。



2.「5本のフルートのための協奏曲 ロ短調 Op.15 No.4」 (J.B.ボワモルティエ)
第1楽章 アダージョ 第2楽章 アレグロ 第3楽章 アレグロ



演奏前のチューニング(一斉に音を鳴らして音程を調節すること)の様子です。







このコンサートは昨年11月7日の「エリザベト音楽大学 院生アンサンブル「ライツェント・グランツ」」でチラシを配っていたコンサートのうちの一つです。




指揮の万代恵子さんが右手を構えたところです。




第一楽章は悲しい始まりで、向かって右側のうちの二人が演奏していました。
続いて左側のうちの二人が演奏し、こちらも悲しげでした。
そして全体での演奏になり、やはり悲しげでした。
また左側と右側が交互に呼応するように演奏する場面がありました。




第二楽章は速めの演奏で始まりました。
第一楽章より明るくなりましたが少し寂しげでもありました。
最後は風が吹くようなメロディで終わりました。







第三楽章は明るくなります。
左側のフルートが音色をリードして右側のフルートが続く場面がありました。
かなりリズミカルなのが印象的でした。
「タンタンタンタタン」が何度も続いて音階も変わっていった時の雰囲気が良かったです



3.「アンダンテとロンド Op.25」 (A.F.ドップラー)
Flute solo 1st 熊谷美保 2nd 宮本美佐穂



ソリスト(ソロ演奏者)の二人はエリザベト音楽大学の卒業生です。




穏やかな演奏で始まりました。
宮本美佐穂さん(写真左)が演奏し、その演奏をフルートオーケストラが支えます。
熊谷美保さん(写真右)が続いて二人で演奏し、それをバックが支えます。
この形での演奏が何度か続きました。




速い演奏になった場面があり、二人のソリストの吹き方が強くなりました。
「ピーロロロー」と強く吹いていてどこか寂しさも感じる音色でした。
やがてとても穏やかな演奏になり、安らぐ音色でした。







一度演奏が止まったので楽章が変わったのだと思います。
次は速い中に悲しさも感じる音色の演奏で始まりました。
やがて明るい音色になり、楽しそうで華やかさがありました






4.「小組曲」 (C.ドビュッシー)
第1楽章〈小舟にて〉 第2楽章〈行列〉 第3楽章〈メヌエット〉 第4楽章〈バレエ〉



第一楽章はフワフワとした始まりで、ワクワクする音色でした。
そして穏やかで、時折強く吹いてもいました。
いくつもの音があるので奥深かったです。




第二楽章は明るい始まりでずっと明るい楽章でした。
強く吹いて迫力が出る場面もありました。




第三楽章は穏やかな雰囲気の演奏で始まりました。
低音のフルートが音を厚くして、ドラマチックな音色になっていました
かなり穏やかでさらにドラマチックな音色が続くのがとても良かったです




第四楽章はスキップしているかのような始まりでした。
右側のフルートがメインのメロディを吹き、左側のフルートが短く音を出して音の土台を作っている場面がありました。
やがて速い演奏で明るい雰囲気になりました。








4曲目の後、5曲目の準備をしている間にソリスト二人へのインタビューがありました。

大学時代に印象的だったことという質問で、熊谷美保さんは大学3年でソウルで演奏したこと、宮本美佐穂さんは大学1年時にフルートオーケストラ創設者の大代啓二さんが一番怖い時代だったことと答えていました。
また二人は二年前までフルートオーケストラの指揮、指導をしていたとのことです。



5.「動物の謝肉祭」 (C.サン=サーンス)
Piano solo 1st 若狭南美 2nd 藤岡真子
ナレーション 松浦美音



歴代のフルートオーケストラ同窓生が登場し、一気に人数が増えました。




ピアノソリストが二人登場しました。
こちらは大学四年生の若狭南美さんです。




こちらは大学二年生の藤岡真子さんです。




チューニングは筆頭格の演奏者が指揮を執ることから、何度か指揮を執っていたこの方はかなりの実力者なのではと思います。




この曲は「ナレーションの後に少し演奏」が繰り返される面白い曲でした。
そういった形の曲は初めて聞きました。




第1曲〈ライオンの威風堂々たる行進〉

ピアノがリズミカルに演奏していました。
フルートも全体で演奏し、重厚感がありました。
ピアノもフルートも派手で迫力ある演奏になったのが印象的でした。


第2曲〈めんどりとおんどり〉
第3曲〈ロバ〉

〈ロバは〉はあっという間に過ぎ去るような凄く速いピアノで、ピアノの演奏のみで終わりました。




第4曲〈カメ〉

ナレーションでは「カメのおじいさん」という言葉があり、若狭南美さんは静かめに演奏し、藤岡真子さんは穏やかさの中に重厚感のある演奏をしていました。


第5曲〈象〉
第6曲〈カンガルー〉

〈象〉はピアノもフルートも重厚感があり、〈カンガルー〉は穏やかな演奏でした。




第7曲〈水族館〉

寂しげな演奏で始まり、ピアノの音がどんどん下がっていく場面がありました。


第8曲〈耳の長い人物〉

ナレーションでは「ラバの酔っ払い」という言葉があり、不穏な演奏で始まりました。
凄く高い音と凄く低い音の差が印象的でした。




第9曲〈森の奥のカッコウ〉

暗い森のような音(低い音)とカッコウの音(フルートの高い音)が印象的でした。


第10曲〈大きな鳥かご〉

ナレーションでは「鳥のお母さん達」という言葉がありました。
一人のフルート奏者が立ち上がって演奏を始め、とても速い演奏でした。
ピアノも続き、リズミカルで高めの音が印象的でした。




第11曲〈ピアニスト〉

ピアノの二人が力強い演奏をし、この曲はピアノの練習をしている様子を表現しているとのことです。


第12曲〈化石〉

ナレーションでは「マンモスの骨」という言葉があり、
とても賑やかな演奏で始まりました。
力強く、ずっと明るい曲でした。




第13曲〈白鳥〉

ナレーションでは「白鳥の王女」と言っていて、フルートとピアノの穏やかな演奏が印象的でとても安らぐ音色でした




第14曲〈フィナーレ〉

ナレーションの「生き物はみな、それぞれの命を生きる」という言葉が胸に染み込んできました。
良い言葉だと思いました。

ピアノもフルートも凄く速い演奏で、フルートは短い音をずっと出していてピアノは迫力がありました。





「動物の謝肉祭」の演奏後、フルートオーケストラ創設者の大代啓二さんの挨拶がありました。




そして大代啓二さんの指揮でアンコール曲「小夜曲(セレナーデ)」(モーツァルト)の演奏になりました。


「エリザベト音楽大学 フルートオーケストラ 第30回記念演奏会」、素晴らしい演奏会でした。
フルートでオーケストラを形成できるのが驚きでした。
30年前に大代啓二さんによって旗挙げしたフルートオーケストラが今日まで続き、大勢の人が聴きに来る演奏会としてしっかり根付いているのは凄いことだと思います。
ぜひこの先もずっと続いていってほしいです


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出演者


顧問/指揮/指導 万代恵子


フルート・ピッコロ
久都内愛(院2) 佐藤香菜(4) 初本みなみ(3)
浦田奈々(2) 山形志歩(2) 福田侑季乃(1) 網本彩音(1)


アルトフルート
善村早紀(院1) 梶井美那(4) 織田かれん(1)


バスフルート(C管)
佐田晴菜(院2) 飯盛麻帆(2)


コントラバスフルート
朴美瑛(院2)


フルートオーケストラ同窓生
赤木由紀 石澤千賀 五十川佳子 稲葉由紀 大代啓二
大野良枝 大橋香織 川本真利江 熊谷美保 佐古萌
下田薫 ジェラルド・ハシント 菅敬子 瀬村香里 竹下直美
谷川ひかる 谷口千穂 俵山紗織 寺田葉月 徳永千寿
長門昌世 中村睦子 西川恵 西本由香里 根石照久
根来梨恵 野村亜理佐 花田彩夏 浜田珠希 日高愛
平野美恵 藤井智子 堀江絹子 松浦美音 松浦伸枝
宮原律 宮本美佐穂 森陽子 山本紫 和崎聖子


フルートソリスト
熊谷美保 宮本美佐穂


ピアノソリスト
若狭南美(4) 藤岡真子(2)

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今までに書いた関連記事
「エリザベト音楽大学 第77回定期演奏会」
「エリザベト音楽大学 Autumn Concert」
「エリザベト音楽大学 院生アンサンブル「ライツェント・グランツ」」
「エリザベト音楽大学 創立70周年記念演奏会」
「エリザベト音楽大学 「Trio Riviere ~トリオ リヴィエール~」コンサート」
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「一楽章f未完成 FLUTE VIOLIN CONCERT」
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「広島女学院 第22回クリスマスチャリティーコンサート」
「広島プロミシングコンサート2018」
「チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲 第1楽章」(ソリスト:川本冴夏)
「安田女子中学高等学校 第8回復興支援チャリティーコンサート」


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皇居 新年一般参賀2019

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(写真は皇居の長和殿にて。
左から雅子妃殿下、皇太子殿下、天皇陛下、皇后陛下、秋篠宮殿下、紀子妃殿下、眞子内親王殿下、佳子内親王殿下です。)

今年も1月2日に父、母と皇居の新年一般参賀に行きました
今年の新年一般参賀は平成になって最多の約15万4800人もの人々が訪れたとのことです
昨年も約12万6720人で平成になって最多だったのが今年はさらに更新され、やはり平成最後の新年一般参賀ということで物凄く大勢の人々が訪れました。

今年は写真とともに長和殿に辿り着くまでの様子をご紹介していきます。


-------------------- 皇居 新年一般参賀2019 --------------------



JR東京駅から歩き皇居に行くための入り口に到着すると、見渡す限りの大行列で全く前に進まなくなっていました。
朝の9時くらいに到着したのですが早くもこの大行列で、長和殿に到着するまでかなり時間がかかることが予感されました。




それでも少しずつ進んでいきました。
また警察官も物凄い数の人がいました。
さらにどう見ても武闘派なのが一目で分かる公安調査庁の方々と思われる集団が睨みを効かせていた場所もありました。
皇室へのテロを企むような極左思想の人が新年一般参賀に来た大勢の人々の中に紛れ込んで侵入する可能性があるので警備は厳戒態勢です。




前方にテントが見えます。




このテントでは大勢の警察官によって手荷物検査とボディチェックが行われます。
皇室へのテロを企むような人に備え、これはあったほうが良いと思います。




テントを抜けた先もやはり大行列でした。




「1」「9」「予備」といった札があるとおり、大行列自体がいくつもあり、「大行列1」「大行列2」「大行列3」のようになっています。
さらに道の向こう側からもこちらと同じ大行列が来ていて、それらを順番に一定人数ごとに通していきます。
私の居たレーンはここで2時間以上待ちました
やはり簡単には長和殿まで辿り着けないです。




ついにレーンが動き始め、写真中央やや左の「正門」を目指します。




正門を通り抜けて有名な「二重橋」を渡る人達の姿が見えます。







正門に辿り着き、皇居の中へと入ります。




二重橋に向かって歩いて行きます。




お城の雰囲気を感じる建物もあります。




二重橋を渡っています。
写真をよく見ると地面が人で埋め尽くされているのが分かります。




そしてついに、長和殿に辿り着きました




こちらが長和殿です。
12時少し過ぎに到着し、私は13:30の回になりましたが何とご厚意で時間を早めて下さり13:00に新年一般参賀が行われることになりました。




天皇陛下、皇后陛下、皇太子殿下、雅子妃殿下、秋篠宮殿下、紀子妃殿下、眞子内親王殿下、佳子内親王殿下がお出ましになられ、皆さん一斉に国旗を振ったりデジカメやスマートフォンなどで写真を撮ったりしました。




この場所で今年もお姿を見ることができて嬉しいです




天皇陛下から次のお言葉がありました。

「新年おめでとう。
晴れ渡った空のもと、皆さんと共に新年を祝うことをまことに喜ばしく思います。
本年が少しでも多くの人々にとり良い年となるよう、願っています。
年頭にあたり、我が国と世界の人々の安寧と幸せを祈ります」


様々な場所で「平成最後の~」という言葉が聞かれますが、私は新年一般参賀こそ最も「平成最後の~」という言葉に相応しい気がします
平成最後の新年一般参賀、行くことができて良い思い出になりました
そして天皇皇后両陛下、30年間ありがとうございました


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